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異なる地点から撮られた2枚の雷の写真から計算して稲妻3Dモデルを再現するとこうなる


Googleのスマートフォン「Tango」のようにリアルタイムで目の前の立体物を3D化できる技術もありますが、簡単な計算プログラムを使って「写真」という2次元媒体から撮影された雷を3D化した人物が現れました。

Calculated Images: 3D Lightning
http://calculatedimages.blogspot.jp/2013/05/3d-lightning.html

写真から雷を3D化したのはオクスフォード大学で細胞生物学を研究するリチャード・ウィーラー博士です。ウィーラー博士はあるとき掲示板Redditに、異なる場所から同じ雷を撮影した2枚の写真が投稿されていることを発見しました。違う地点からまったく同じ稲妻が空に走る様子を撮影された写真が投稿されている「偶然」を見かけたウィーラー博士は、趣味の写真やオープンソースプログラミングの知識を駆使して、これら2枚の写真から雷を立体化することにしました。

これがRedditに投稿された雷の写真その1。野球場から撮影されたもの。


そしてこれが同じ雷の写真その2。1枚目の写真よりも遠くから撮影されたもののようです。


まず、ウィーラー博士は2枚の写真を同じ大きさになるように拡大・縮小して並べました。見比べると2枚目の写真は1枚目の写真に比べて縦方向にひしゃげた形であることが分かります。これは、雷を見る角度による差とのこと。


次に、ウィーラー博士は雷の折れ曲がったポイントの座標をすべて記録して、画像解析ソフト「ImageJ」で数値化しました。


数値化したデータは以下の通り。xは横軸(水平方向)の位置、yは縦軸(垂直方向)の位置、dx・dyは写真1と写真2の数値の差異を表しています。


そして、ウィーラー博士は分析によって得られたデータを3Dモデリングソフト「Blender」を使って3次元立体化したとのこと。なお、「小難しい数学の計算については割愛しましょう」と計算方法の詳細についてウィーラー博士は明示していませんが、計算アイデアのエッセンスは、「座標間距離はカメラと雷の距離に反比例すること」「より近くにあるものほど大きく(長く)写るということ」にあると述べています。

ウィーラー博士が2枚の写真から構築した雷の立体図はこんな感じ。


一瞬しか目で見ることのできない雷を立体的に見るということは通常は不可能。その雷を3D化して360度あらゆる方向から見ることができるこのアニメーションを、ウィーラー博士いわく「簡単な計算プログラム」で再現できることは驚きです。

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in ソフトウェア,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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