悪魔崇拝者がクラウドファンディングの出資金でバフォメット像を州議事堂に設置する動き

By sulinor

Kickstarterなどのクランドファンディングプラットフォームは、インターネットを通じて幅広い層から出資を募ることができる資金調達方法です。そんなクラウドファンディングの1つであるIndiegogoで、悪魔崇拝団体の「The Satanic Temple」が黒ミサを司る山羊の頭を持つ悪魔「バフォメット」のブロンズ像をオクラホマ州会議事堂に設立するため出資を募集。目標額を超える資金を手に入れ、悪魔像の制作が始まっています。

Here’s the First Look at the New Satanic Monument Being Built for Oklahoma’s Statehouse | VICE United States
http://www.vice.com/read/heres-the-first-look-at-the-new-satanic-monument-being-built-for-oklahomas-statehouse

Put a Satanic Monument at OK Capitol | Indiegogo
https://www.indiegogo.com/projects/put-a-satanic-monument-at-ok-capitol

2014年1月に悪魔崇拝団体のThe Satanic Temple(悪魔の神殿)が、オクラホマ州会議事堂の正面の芝生エリアに建てる「バフォメット像」の制作資金を募るキャンペーンを実施しました。キャンペーン終了までに目標額の2万ドル(約200万円)を超える2万8180ドル(約286万円)を集めており、バフォメット像および悪魔を忠実に見上げる2人の子ども、逆五芒星の掲げられた台座の制作が開始されています。以下の写真は制作途中のもので、最終的にはブロンズで鋳造される予定です。

VICE United Statesによるとバフォメット像に関する一連の流れは、2012年にオクラホマ州会議事堂に設置されたモーセの十戒記念碑が原因となっており、アメリカ自由人権協会(ACLU)が反発して訴訟を起こすなどの騒動が起きています。記念碑自体はマイク・リッツ州議会議員がポケットマネーで設置したものですが、「州会議事堂への設置は寄付にあたり国有財産と認められる」と考えたSatanic Templeは、記念碑設置のための正式な申請書を州へ提出しました。

By Prayitno/more than 2.5 millions views: thank you!

2012年12月にオクラホマ連邦議会議事堂保存委員会のトレイト・トンプソン氏はCNNに対して、「個人およびグループは、彫像・美術品を設置するため自由に申請することができる」と話していますが、現在は記念碑設置の申請は停止している状態。しかしSatanic Templeは申請が通っていないままバフォメット像の制作を進めています。

Satanic Templeのスポークスマンは、「数カ月後、偶像が完成した暁にはオクラホマ州議会議事堂にバフォメット像を設置する計画を開始するでしょう。我々の申請書はリッツ氏の記念碑騒動が始まる前に提出したため、有効であるべきと考えています」と話しています。また、オクラホマ州に対して訴訟を起こしているACLUのライアン・キーゼル氏は、「連邦議会議事堂にキリスト教のメッセージである『モーセの十戒記念碑』の設置が許可され続けるなら、異なる宗教の見解として悪魔像の設置を拒絶することはできない」と、見解こそ違うもののSatanic Templeの主張に対して同意する姿勢を見せています。

なお、この騒動に対してPaul Wesselhoft州議会議員は、「悪魔像は『オクラホマ州に設置されるべき歴史的意味』を持っていない」とコメントしており、「立法者である私たちが法律を作る議会議事堂に、最初期の法律の1つである『モーセの十戒』の記念碑が設置されていることは妥当なことと考えています」と、議事堂に悪魔像が設置される可能性を否定しています。