「燃え尽き症候群」には少なくとも3つのタイプがある
By Lotus Carroll
活動的だった人がある日突然やる気を失ってしまう「燃え尽き症候群」は仕事を辞める原因の多くを占めると言われており、ストレス社会が抱える大きな問題の一つと言えます。一般的に働き過ぎによる過度のストレスが原因と一くくりにされがちな燃え尽き症候群ですが、少なくとも3つのタイプがあるそうです。
PLOS ONE: Coping with Stress and Types of Burnout: Explanatory Power of Different Coping Strategies
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0089090
Burnout Comes in Three Varieties - Association for Psychological Science
http://www.psychologicalscience.org/index.php/news/minds-business/burnout-comes-in-three-varieties.html
The 3 Types of Burnout | Inc.com
http://www.inc.com/adam-vaccaro/3-types-of-burnout.html
科学誌PLOS ONEに投稿された研究で、スペインのサラゴサ大学で働く職員5493人に対して仕事や日々の生活に関する聞き取り調査を行い、燃え尽き症候群の兆候が見られる429人を選び出しその特徴を分析した結果、少なくとも以下の3種類のパターンがあることが分かりました。
◆1:frenetic(熱狂型)
By Patrick Donnelly
燃え尽き症候群と見られる人の15%の人が「熱狂型燃え尽き症候群」に該当しました。この熱狂型は、仕事で成功することを強く望む「野心を持つ人」に多く、極度の疲労状態に陥るまで働く傾向にあり、「働き過ぎによる燃え尽き症候群」のイメージ通りのタイプと言えます。熱狂型燃え尽き症候群を発症する人は、仕事のストレスに対処するために、会社の組織や序列を自己の成功や目標を妨げるものと考えがちで、不平不満を漏らす傾向にあるとのこと。
◆2:under-challenged(挑戦不足型)
By Sippanont Samchai
また、燃え尽き症候群と見られる人のうち9%は、「挑戦不足型燃え尽き症候群」と呼ばれるタイプに分類されたとのこと。この挑戦不足型は、満足のいく成果を上げるのに失敗することで、次第に仕事に関心を失ってしまい、日々の業務が単調で刺激のないものに感じてしまうことが多く、見返りが少ないと感じた仕事を遠ざけがちで、仕事や対人関係を避けることでストレスに対処しようとする傾向にあるそうです。
◆3:worn-out(疲れ果て型)
By Bronski Beat
21%と最も多く確認されたのが「疲れ果て型燃え尽き症候群」です。疲れ果て型は、仕事の難しさを感じるとその困難さから目を背ける傾向があるとのこと。このタイプの人がよく抱く感情は「諦め」で、達成したい目標があるにもかかわらず、そのために自己を磨こうというモチベーションを欠いているという特徴があります。
この研究によって燃え尽き症候群には少なくとも3種類のタイプがあることが明らかにされましたが、これらのタイプに当てはまらない他の特徴を持つ人がいる可能性は十分あるとのこと。研究者たちは、燃え尽き症候群をその特徴によって分類することは、そのタイプに適した治療法を開発するのに役立つはずだと考えています。
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