画像の捏造を見抜くソフトウェア「LP-exam」が不正を検出している仕組みはこんな感じ
東京大学の生命科学の研究者が中心となって2014年3月に設立したベンチャー企業「LPixel(エルピクセル)」が、最先端の画像処理技術を応用して「切り貼りや加工などの不自然な箇所がないか」を検出するソフトウェア「LP-exam」を開発しました。現在、サイト上でオンライン版が無料公開されていて、Natureに掲載されたSTAP論文を実例としてどのように不正を検出しているのかを解説するムービーも公開されています。
LP-exam | LPixel Ver.1 オンライン版
http://lpixel.net/lp-exam/
LP-examの開発目的は以下の通りです。
英科学雑誌「ネイチャー」に掲載されたSTAP細胞の論文に含まれる画像に不正な加工や不自然な箇所があるという指摘が、生命科学界のみならず論文捏造をめぐる社会問題として、大きな注目を集めています。LPixelでは、生命科学の専門家チームが自ら、高度な画像処理技術を応用して、生命科学研究のノウハウを活かし、「画像不正検出ソフトウェアLP-exam」を開発しました。複数の手法を組み合わせて、元の画像から8つの分析結果を出力し、不正検出のサポートをします。
英科学誌Natureに掲載された理化学研究所・小保方晴子氏のSTAP細胞論文の画像を用いた、LP-examの使い方は以下のムービーで確認可能です。
画像不正検出をサポートするLP-exam - YouTube
まずはLPixel Ver.1 オンライン版にアクセスします。
STEP1のテキストボックスに検証したい画像の出典(URL、DOI)を入力。
次にSTEP2の「参照」ボタンをクリックして、画像ファイルを選択します。
ムービーはMac OSを使用していますが、ドラッグ&ドロップにも対応しているようです。
サムネイル画像が表示されるので、画像が正しく選択できていることを確認して……
STEP3の「解析スタート」をクリック。
しばらく待つと、画像処理がされた9枚の画像が現れました。
画像は、暗色背景画像、明暗反転画像、カラーマップ画像、多段階コントラスト強調画像、高域通過処理画像に処理されるとのこと。
処理結果画面を横方向にスライドさせて……
次の画像を選択。
画像ファイルをドラッグ&ドロップして……
表示された画像サムネイルを確認して画像を選択してから……
「解析スタート」をクリック。
画像が処理されました。
「電気泳動右端のレーンに、画像挿入跡が見られる(青枠)」とのこと。
処理した画像は保存することもできます。
科学論文の実験結果のねつ造はもってのほか。LP-examによって、疑わしい実験結果に容赦のないチェックが入れられそうです。
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