サイエンス

頭に描いた「人の顔」のイメージを映像化する研究がエール大学で進行中


頭に描くイメージをうまく他人に伝えられなくて困ることはよくありますが、頭の中のイメージ画像を映像に再現できる日がくるかもしれません。エール大学で、「記憶に残る『人の顔』のイメージを写像する」という研究が進められています。

Neural portraits of perception: Reconstructing face images from evoked brain activity
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811914001633

YaleNews | Yale researchers reconstruct facial images locked in a viewer’s mind
http://news.yale.edu/2014/03/25/yale-researchers-reconstruct-facial-images-locked-viewer-s-mind

'Mind-reading' technology can reconstruct faces from the viewer's brain - Crave
http://www.cnet.com.au/mind-reading-technology-can-reconstruct-faces-from-the-viewers-brain-339346949.htm

エール大学の修士課程で脳神経学を専攻するアラン・コーエンさんは、人が他人の顔を見分けるときに脳にどのような反応が起こっているのかを調べることで、頭に描くイメージを写像化する技術を研究中です。

これまでにも人間の脳を分析することで頭に描くイメージを判別するという研究は行われており、映像を見るときに活性化する脳の部位とその反応について研究した結果、例えば、見ているものが動物なのか建物なのかということを判断することはすでに可能になっているとのこと。しかし、例えば頭に思い描く「人間の顔」ような具体的なイメージは、個々の人間の顔同士が非常に似通っているため、正確に区別して写像化することは極めて困難でした。

By Peter Voerman

そこで、コーエンさんと共同研究者であるニューヨーク大学のブライス・クール准教授の共同研究チームは、人の顔をその特徴によって6種類に分けた上で、合計300枚の人の顔の画像を被験者に次々と見せていき、そのときの脳の反応をfMRIを使ってリアルタイムに解析し、顔のどの特徴に対して脳のどの部位が反応しているかをデータベース化し機械学習アルゴリズムを用いてマッピング・スコア化することで、大量に集められたマッピングデータを使って、脳に起こる反応から顔のイメージ画像を再現することを試みています。


再現の精度はまだ高くないようですが、研究チームは、より多くのデータを集めることで精度を向上させることができると考えており、また、この技術を応用することで、例えば、植物状態の患者の心の中の様子を知ることができるかもしれないと考えています。

頭に描くイメージを写実化するという研究はまだまだ始まったばかりであり、また、個人によって脳に起こる反応も違っているため課題は多いとのこと。頭のイメージを正確に映像化できるようになるまでには長い時間がかかることが予想されますが、いつの日か心の中の出来事を映像にできる日が来るかもしれません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
イケメン・美人の魅力的な顔よりもブサメン・不細工な顔の方が人の記憶に残りやすいことが判明 - GIGAZINE

感情によって違う反応を見せる体の部位に色を付けるとどうなるのか? - GIGAZINE

記憶力にいくら自信のある人でも記憶は簡単にねじ曲げられることが判明 - GIGAZINE

脳に光をあてることで誤った記憶を作り出すことに利根川進と理研のチームが世界で初めて成功 - GIGAZINE

目の見えない人に埋め込んで視覚を取り戻すデバイス「Bio-Retina」 - GIGAZINE

脳の樹状突起が情報を処理している可能性があることが示される - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.