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ネット上でデマ・偽情報・陰謀論が注目を集めて爆速拡散する理由が研究で明らかに

By Robert Couse-Baker

世界経済フォーラムがリリースしているOutlook on the Global Agenda 2014(2014年世界の10大トレンド)の中には「The rapid spread of misinformation online(オンライン上での誤報の拡散)」という項目があるように、ネット上にはデマや誤報、偽の情報から陰謀論までさまざまな情報があふれています。こういった情報がなぜ広がるのかについて、ノースイースタン大学のWalter Quattrociocchi氏と彼の同僚たちによる研究チームが研究を行っています。

How to Start a Conspiracy Theory on Facebook - Megan Garber - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/technology/archive/2014/03/how-to-start-a-conspiracy-theory-on-facebook/284511/


ソーシャル・ネットワークは構造上、各ユーザーが情報を「共有」することに最適化されています。しかし、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)自体に情報の善しあしを判別してそれらを分類するような能力はないので、噂・偽情報・陰謀論などが拡散しやすい性質を持っている、と言っても過言ではありません。

By Hersson Piratoba

Quattrociocchi氏と彼の研究チームは、Facebookユーザーがどれくらいだまされやすいかの基準を得るために、230万人以上のイタリア人Facebookユーザーを調査対象とし、「Facebook上に投稿された政治関連情報」に絞り、2013年の選挙シーズンに調査が行われたとのこと。調査では19万個以上の投稿と2300万個以上の「いいね」、約440万件の「コメント」、470万件以上の「いいね&コメント」から、Facebookユーザーが「偽情報をどのように扱うか」を分析することになったようです。

分析では「いいね」と投稿へのコメントの数を基準にしており、さらにFacebookユーザーが主に3つのカテゴリから来るニュース投稿をどのように扱っているかを調査しています。3つのカテゴリというのは、主な報道機関・その他の報道機関(主な報道機関が報じないような話題を取りあげるニュースサイト)・政治的な解説などを行うサイト、の3種類です。

By Dave Rutt

研究では偽情報に対して最初にコメントがきてから最後のコメントがくるまでの時間(ネット上で話題になった時間)を計測。研究チームは、この時間から偽情報がどれくらいの間正しい情報だと信じ込まれていたかを知りたかった、とのことですが、調査結果から判明したのは、FacebookやSNSに慣れている人であれば「確かに」と納得するようなことでした。

調査結果を、ニュースを報道した機関ごとの「ネット上で話題になった時間」で比較してみたところ、以下のグラフのようになります。縦軸が確率、横軸が「話題になった時間」を示しており、赤線が主な報道機関、黄色線がその他報道機関、青線が政治的なポストを行うサイトを表しており、グラフは3つのカテゴリに分けられた情報源がどの位の割合で、どの程度の期間話題になるかを示しています。このグラフを見ると情報の「信頼性(3つのカテゴリに分けられた情報源)」が「話題になった時間」に与える影響はほとんどなく、SNS上で話題となるニュースにとって、「真実」か「嘘」か、といった要素はさほど重要でないことが分かります。


そして、このグラフと似た形になったのが以下のグラフ。以下のグラフは縦軸が確率、横軸がFacebook上で行われたアクション(いいねやコメント)の数を表しており、赤・黄色・青の線は上グラフと同じものを示しています。


異なる性質の情報にもかかわらず、パターンは非常に似ており、確証のない陰謀論のような情報でも、他の情報と同じような時間話題に上り、ユーザーの関心を引くことができる、ということが分かります。

研究では会話の内容まではチェックしていないので、Facebookユーザーがいち早く虚偽情報であることをつきとめ、そのことについてコメントを交わしているのかもしれない、としながらも、より注目すべき点は、「ポストが誤報であろうとうわさ話であろうと嘘であろうと何であろうと、ユーザーは等しく注目を示す」点だとしています。

By Jess Liotta and Colin Liotta

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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