スマホ・SNS・インターネットがカップルの人間関係に与える影響を分析するとこうなる

By Sean Molin

携帯電話やインターネットが存在しなかった頃、交際中の相手と連絡を取り合うには家の備え付けの電話や手紙などを利用するしか方法がありませんでした。2014年現在では、スマートフォンやインターネットが普及したことでコミュニケーションをスムーズにとれるようになり、カップルの人間関係も昔とは少し違った様相を呈しています。そこでインターネットやスマートフォン、SNSがどれくらいカップルの人間関係に影響を与えているのか、Princeton Survey Research Associates Internationalがアメリカのインターネットユーザーに調査を実施し、そのデータを公開しています。

Couples, the Internet, and Social Media | Pew Internet
http://www.pewinternet.org/2014/02/11/couples-the-internet-and-social-media/

調査は2013年の4月17日から5月19日までの1カ月間、アメリカの18歳以上のインターネットユーザー2252人に対して実施され、調査対象全体のうち、47％が既婚・6％が交際中の相手と同居中・12％が既婚および同居していないが交際中で、統合すると全体の約65％が既婚している、もしくは交際中であることが判明。また、既婚・交際中の男女のうち、インターネットを使用しているのは88％、SNSを利用しているのは71％、そして93％がスマートフォンを含む携帯電話を所有していました。

下記の棒グラフは、インターネットやSNSを利用しているカップルが、オンライン上で何を共有しているのか表したもの。グラフによると、全体の67％がパスワード・27％がEメールアカウント・11％がオンライン上のカレンダーとSNSアカウントを共有していることがわかります。

オンライン上で1つのパスワードを共有しているカップルを性別・年齢・人種・年収などで分けたのが以下の表です。表によると、性別・年齢による大きな違いは見られないものの、年収では5万ドル(約511万円)以上と以下で20％の開きが確認でき、年収約511万円以上の人の方がパスワード共有率は高め。

Eメールアカウントを共有しているカップルの年齢別の割合は、18歳～29歳で12％ですが、年を重ねるほど多くなり、65歳以上では47％が1つのEメールアカウントを共有。また、収入別で見ると、年収5万ドル以下が18％であるのに対して、5万ドル以上は32％であり、年収が多いほどEメールを共有している割合が高くなっています。

SNSアカウントを共有しているカップルの性別・年齢・雇用形態・年収による違いはあまり見られず、大体10％前後です。

オンライン上でカレンダー・Eメール・パスワード・SNSアカウントを共有しているカップルを交際期間別にグラフ化すると、交際期間が長いカップルほどインターネットでデータやアカウントを共有している割合が高くなっているのがわかります。

次に携帯電話やインターネットなどのデジタルツールがカップルの関係に与えている影響を調査したところ、全体の27％が何らかの影響を感じていることが判明。その結果を年代・交際期間別に表示したのが下記のグラフで、濃い青色が「強い影響」薄い青色が「弱い影響」を示しています。18歳～29歳のカップルのうち45％がデジタルツールから何らかの影響を受けているとし、21％が強い影響を、24％が弱い影響を受けているとのこと。また、年齢が高くなるにつれグラフは低下しいてます。交際期間が10年以下と以上のカップルでは、交際期間が長いほどデジタルツールから受ける影響が少ないようです。

デジタルツールから何らかの影響を受けていると答えたカップルのうち、74％はその影響が「ポジティブ」であり、20％は「ネガティブ」、4％は「どちらでもなかった」と回答。ネガティブであった影響の原因は「インターネットの使用時間について口論」「相手のインターネットでの行動について腹を立てた」「一緒にいるのに相手が携帯電話を優先する」などとなっています。反対に、デジタルツールから受けている影響がポジティブであったカップルは「インターネットや携帯電話で交換するメッセージによって親密性が増した」「口頭ではなくメッセージでもめ事が解決した」などと、その理由を説明。

インターネットや携帯電話からネガティブな影響を受けているカップルはそこまで多くないようですが、インターネットの使用時間やオンライン上での行動が相手を傷つけるという、昔では考えられなかった新しい問題が確認されています。今後テクノロジーの発展が進むにつれて、現在では計り知れない問題がカップルの人間関係に発生する可能性は大いにありそうです。