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ロータリー・4ストローク・蒸気機関など21種類のエンジンのGIFアニメーションが見られる「Animated Engines」


自動車や飛行機をはじめ、世の中の乗り物や機械には力を発生させるもとになるエンジンが搭載されています。1600年代半ばに最初の蒸気機関が発明されて以来、人々はさまざまなアイデアを考案してよりよい動力機構の開発に知恵を絞ってきました。そんな先人たちの知恵をアニメーションで再現しているのが「Animated Engines」です。見たとおりに動いているものから予想の斜め上を行く動きを見せるものまで、21種類の興味深いアニメーションが公開されています。

Animated Engines - Home
http://www.animatedengines.com/index.html


アイコンをクリックすると、それぞれのエンジンが作動する様子を動くアニメーションで確認できるページに進みます。まずは一般的によく用いられる形式である「Four stroke(4ストローク)」をクリック。


ページが表示されました。ページ上部にはアニメーションが表示され、その下には動作の説明が1コマずつ描かれています。なお、記事執筆時点ではiPhoneでのアニメーション表示は非対応となっていました。


空気の「吸入」「圧縮」「燃焼」「排気」の各行程が細かく説明されています。


ここで興味深かったのは、図の左上に記載されている吸気用のバルブでした。通常はバルブを開閉するための機構が備わっているはずなのですが、この図では示されていません。説明を読むと、このバルブはピストンが下がってシリンダー内が負圧になった際に、その圧力の差で自動的に開閉する仕組みになっているそうです。


「Diesel(ディーゼル)」をクリックすると……


同じように、アニメーションつきの詳細ページが開きます


最近は排ガス規制などですっかり見なくなった「Two stroke(2ストローク)」エンジン


図では、「クランクケース側の吸気」が最初に描かれています。バルブを持たない2ストロークエンジンは、ピストンが上下することによって生まれる気圧の差を利用して吸排気を行います。


こちらも少数派となったロータリーエンジン。英語名では「Wankel engine(ヴァンケルエンジン)」と呼ばれます。2012年6月にはマツダRX-8の生産が終了し、市販車のロータリーエンジンは生産されなくなっています。


おにぎり型のローターが内部で回転することで、動力を生み出します。


「Steam Locomotive」はその名のとおり、蒸気機関車に用いられている機構。


水を沸かして発生させた高圧の蒸気を駆動力に変換する機構です。


蒸気機関よりも古い機構が「Newcomen Atmospheric(ニューコメン機関)」です。蒸気機関と似ていますが、大気の圧力を利用する行程もあることから「Atmospheric(大気)」という名前が付けられています。


まず、重りの力によってピストンが持ち上げられると、シリンダーの中にはボイラーからの蒸気が流れ込みます。次に、シリンダーの中に水を噴射すると、冷やされた蒸気は急激に体積を減らして圧力を失います。これにより収縮した蒸気の圧力が大気よりも低くなると、こんどはピストンが下方向に押し下げられます。この上下運動を繰り返すことで動力を生む仕組みになっています。


中には変り種エンジンも紹介されています。こちらは「CO2エンジン」と呼ばれる二酸化炭素の圧力を利用したエンジン。


燃料や蒸気の代わりに、ボンベから供給されるCO2の圧力でピストンがまわる仕組みです。模型用の小型エンジンなどに用いられています。


模型用エンジンが動いている様子がこちら。ガスボンベからCO2を注入し、その圧力を利用してプロペラを回転させています。

Junior 451 CO2 Motor Running - YouTube


そして一目見ただけでは理解が難しそうな「Two Cylinder Stirling Engine(2気筒スターリングエンジン)」。スターリングエンジンとは、燃焼による体積の変化ではなく、温度変化による体積の変化を動力源にするという仕組みです。


イラストで下側のシリンダーには下から熱が加えられており、熱せられた内部の空気は膨張してピストンを広げ、クランクシャフトを回転させます。このとき、一部の空気がパイプなどでつなげられた上部のシリンダーへも運ばれています。


上部シリンダーには放熱フィンが付けられているので、空気は冷やされて圧力を失います。それにより今度はピストンが戻される力が起こり、連続した回転運動を生む仕組みになっています。2つのピストンには90度の位相差が付けられているのがポイントです。


これ以外にも、ジェットエンジンや、エンジン本体が回転するという一風変わったノーム・ロータリーエンジンなどの動作を見ることができるようになっています。想像を超えてメカニカルな動きを見せるエンジンの様子をぼーっと眺めてゆっくりするのもアリかもしれません。

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in メモ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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