「クスリで真実を自白させる」ことは本当に可能なのかを検証したムービー

By Daniela Vladimirova
フィクション作品では、捕まえたスパイや工作員に自白剤を使って情報を吐かせるというシーンが出てきますが、実際、自白剤を投与された人間は真実をペラペラと口にするのでしょうか。クスリの効果を、BBCでマイケル・モーズリー氏が体を張って検証しています。
BBC News - Can a drug make you tell the truth?
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-24371140
実際に自白剤を投与している様子は以下のムービーで確認できます。
Michael Mosley takes the 'truth drug' thiopental - Pain, Pus and Poison - BBC Four - YouTube

映画やドラマなどで使われる自白剤は、作品中で成分が明かされることはありませんが、主にチオペンタールナトリウムという麻酔薬だとみられています。今回、BBCはチオペンタールナトリウムに本当に自白効果があるのかどうか、麻酔医に立ち会ってもらって検証を実施しました。

実験を受けるマイケル・モーズレーさん。

チオペンタールはバルビツール酸系の麻酔薬で、1950年代から60年代にかけては睡眠薬としてよく用いられました。しかし、中毒性と致死性があることから現在では用いられることはなくなっています。バルビツールの中毒で亡くなった人物としてはマリリン・モンローが有名。

低容量のチオペンタールナトリウムを手の甲から投与していきます。

有効成分が吸収されたのか、ケタケタと笑い出したモーズレーさん。その気分を「まるでシャンパンを飲んでいるみたいだ」と表現しています。

ここで麻酔医が「仕事は何をしていますか?」と尋ねると、「私は世界的に有名な心臓外科医だ」と、用意していた作り話を始めるモーズレーさん。

「最後に行った手術はなんですか?」と麻酔医に尋ねられ、「心臓バイパス手術で、大成功だったよ……。私は最高だ!ハハハ!」とろれつは回っていないものの、嘘をつくことができています。

心拍は上昇気味。

危険のない範囲でさらに自白剤を追加することに。

チオペンタールが十分に体内に巡ったところで、再度、麻酔医が名前や職業を尋ねてみると……

「私の名前はマイケル・モーズレー、TVプロデューサーだ」と、用意していた作り話ではなく本当の話を始めました。

「では、あなたには『心臓外科医』という経歴はないんですね?」と尋ねられたモーズレーさんは「ハハハ、ないよ。TVを作るのが仕事なんだ」とぺらぺら話してしまいます。

そして目を開けていられないといった様子で、眠りに落ちてしまいました。

モーズレーさんによると、2度目の薬が効いた後、直前の記憶がねじ曲げられ、「嘘をつかなければいけない」という選択肢を考えつかなかったとのこと。この状態は非常に暗示にかかりやすく、質問者がその手のプロであればうまく真実を引き出すことが可能だろうと結論づけました。しかし、話を聞き出すことはできても、聞きたい話ではないことを話したり、すぐに眠ってしまったりするため、指向性を持った確実な自白剤としての使用は難しいようです。
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