雷のエネルギーでスマートフォンを充電する手法をノキアが研究中

By Håkon Sønderland
言うまでもなく雷は大気中にたまった電気エネルギーによる放電現象で、推定では毎日約860万回もの落雷が発生していると言われています。これまでにもこの巨大なエネルギーを電力に転用させる試みは多く見られましたが、ノキアではこれをスマートフォンの充電に役立てることはできないかと研究を進めています。
Nokia Lumia - Harnessing the power of lightning - YouTube

なにやらものものしいラボ内の風景。険しい表情で2台のスマートフォンを実験機に取り付ける研究員。

1台は同社のフラグシップモデル、Lumia 1020のようです。カメラ機能を推しているだけあって、こちらはどうやら撮影用。

実験機器に電源ケーブルを接続して準備。

安全のため、実験設備はフェンスを閉めて立ち入り禁止となりました。

危険な実験であることがうかがえます。

雷が電気のエネルギーであることを確認したベンジャミン・フランクリンの言葉を引用し、それまでは「人類と獣の両方にとっての破壊者だった」という雷を、エネルギーに転用するとのこと。

「これは、雷を使ってスマートフォンの充電を行う世界初の実験です」と今回のプロジェクトを語る、ノキアのクリス・ウェバー執行副社長。

ノキアは、イギリス国立大学であるサウサンプトン大学と共同でこのプロジェクトを進めています。

プロジェクト詳細について語るサウサンプトン大学High Voltage Laboratoryのニール・パーマー氏。横には実験に使用されるLumia 925がスタンドにセットされています。

この巨大なトランスに電源を接続し、一気に電圧を上げて……

20万ボルトになったところで、人工の雷を放電させます。それを右側の機器で家庭用電力に変換し、充電を行うという流れ。

「雷のエネルギー放出は一瞬の出来事なので、これをそのまま使うことはできません。スマートフォンの充電に転用するためには、それを平準化させて安定的な電力に変換する必要があります。」と語るウェバー氏。

実験の様子がこちら。「バチバチ」という音とともに放電が起こります。

すぐにLumia 925のディスプレイがONになり……

充電中を示す表示に変わりました

研究室レベルでは、雷をスマートフォンのエネルギー源に転用することには成功している模様です。

今のところは雷を電力に転用するのは難しいという見方が強いのですが、再生可能エネルギーの重要性が叫ばれる中においては、面白い試みといえるかもしれません。
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