取材

「オスプレイ」に乗り込んで海兵隊の地上部隊支援訓練に同行してきた


海兵隊がこれまで使ってきた輸送ヘリコプターCH-46Eの代替機として配備が進められているMV-22 オスプレイを普天間飛行場で見学させてもらったわけですが、続いては実際にオスプレイに乗り込み、地上部隊との連携訓練に同行することになりました。

乗り込むとこのように肩と腰を固定する4点式のベルトを装着。


準備完了


滑走路まで移動後、旅客機のように助走をつけて飛ぶのではなく垂直に飛び上がったため、機体が揺れ始めたと思ったらあっという間に空中にいた、という感じ。


オスプレイの飛行速度は最高で時速519km。この日は220ノット(時速400km強)ほどで飛行していたようです。ちなみに、オスプレイは輸送ヘリコプターと比べて「スピードが速い」というほかに「輸送量が大きい」「航続距離が長い」という特徴があり、より迅速に部隊を展開することが可能となっています。航続距離については増槽を1つ使えばフィリピンや朝鮮半島まででも行くことが可能で、さらに空中給油もできるため、あまり制約を受けることがありません。


15分ほどで北部訓練場のヘリポートに到着


北部訓練場というのは国頭村と東村にまたがって存在している演習場。普天間からは直線距離でおおよそ70kmほどですが、飛行ルートは基本的に海上で、かなり迂回しています。

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ここで、地上部隊の海兵隊員たちが乗り込んできました。


乗り込んできたのは合計12名。オスプレイへ慣れる意味も含めた訓練で、「A地点からB地点へ移動」ということを想定して、一度離陸して飛行したのち、再び同じ場所へ着陸します。


約20分の飛行を終えて……


先ほど乗り込んでいた隊員たちが展開したのち、現地に展開していた別の隊員たちがオスプレイに乗り込んでいきます。


駆け足


展開した隊員たちは周囲の安全確保に努めます


一方、オスプレイの中で隊員たちの準備が整うと離陸


離陸の瞬間は一段と風が強くなり、刈り揃えられている芝のかけらがカメラや顔をめがけて飛んできます。ヘルメットのバイザーを装着していないとちょっと危険。


飛び立っていくオスプレイ


ゆっくりとティルトローターを垂直方向から水平方向へ向けて、飛び去っていきました。


これも先ほどと同じように、オスプレイでぐるっと飛行したのちに、同じ場所に戻ってきます。


ということで15分ほど経過するとまずは飛行音が聞こえてきて、やがてオスプレイの姿が見えてきました。すでにティルトローターは上向きになっていて、着陸姿勢に入っています。


姿こそ固定翼機に近いものの、挙動はヘリっぽい感じがします。


するするっと降下


後部ランプが開き……


隊員たちが駆け下りてきます


そして、先に到着していた部隊に合流。ちなみに、彼らは工兵部隊で、地雷除去などの任務があります。


入れ替わるように次の部隊がオスプレイに駆け込んでいきます。


今回はこの部隊に同行することに。


今度は後部ランプ寄りの座席です。


内部はこんな感じ。


ランプの開け閉めを担当していたのはこの人。


後部ランプの上方は閉じることもできますが、今回は開放状態でした。


座席に座っているとあまり気がつきませんが、景色を見ていると機体旋回時にはかなり傾いていたりします。


着陸地点に戻ってくると少しランプを開き、何やら外側をチェック中


このあたりは米軍施設の上空を飛んでいるようです。基本的に、着陸などが伴うときには人の少ない場所を選んで飛んでいるとのこと。


みたび、北部訓練場のヘリポートに着陸。


隊員たちが展開し、今回はそのまま離陸。


左手側の森の中にすこし広場のようになっている部分がありますが、アレが着陸していたヘリポート。肉眼だと、海兵隊員たちが動いているのが見えました。


今度のフライトは普天間飛行場への戻り。


飛行場には滑走路があるため、垂直に着陸するのではなく、旅客機のように着陸。


今回搭乗した機体はコレ。「竜 8224 EP05」と書かれています。


正面から見るとこんな感じ。


格納庫内では整備作業が進められていました。


このあたりのアイテムは何に使うのでしょうか?


壁際に取り付けられていた「START FOAM SYSTEM」と「ABORT FOAM SYSTEM」のスイッチ。


「THERE IS NO EASY WAY IN. THAT'S WHY THEY SEND IN THE MARINES.」というポスター


ということで、これでオスプレイ体験搭乗はおしまい。


帰り際、普天間飛行場の別のゲートの近くを通ると、フェンスに赤いビニールテープで「かえせ」「RAGE」「NO BASE」などの文字が書かれていました。


これはオスプレイ配備反対を訴える市民グループらが貼り付けているものだそうで、一方で、そういったやり方はよくないということで別のグループがテープを剥がすクリーン活動を行ったりしているとのことでした。

取材時に撮影したムービーは以下の記事に掲載しています。

米軍新型輸送機「オスプレイ」機内から撮影した離着陸などムービーいろいろまとめ


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in 取材,   乗り物,   ピックアップ, Posted by logc_nt

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