ハードウェア

携帯可能で低消費電力のアナログガイガーカウンターを自作した記録


放射線を検出する「ガイガーカウンター」を、シンプルで電力効率も良く持ち運び可能なアナログ式で自作した電子技術者が、その仕組みを解説しています。

A portable, sensitive, low power, analog Geiger counter
https://ludens.cl/Electron/geiger2/geiger2.html

Homo Ludensと名乗る電子技術者は、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を若い頃に経験してから、放射性物質を検出できる手段が欲しいと考えていたそうです。そこで、放射線のパルスを検出し計測できるガイガー管を購入し、高電圧電源を組み立てることで、PCのディスプレイに音声波形のように放射線のパルスを表示できるガイガーカウンターを自作しました。


その後Ludens氏は、いつかこのガイガーカウンターを、持ち運び可能で電池式のよりしっかりした形で作り、パルスも手元で確認できるような形にしたいと考えていたそうです。それから数十年経過して製作されたのが、アナログ式ポータブルガイガーカウンターです。

Ludens氏が製作したアナログ式ポータブルガイガーカウンターの写真が以下。青い筒状の部分がガイガー管で、友人から「放射能と関連付けられる色は黄色・黒なので、黄色に塗るべき」と助言されたものの、ガイガーカウンターは放射線を放出するのではなく検出する機器であるため、黄色の反対色である青が適切だと判断したそうです。


ガイガー管は管が大きいほど捕捉面積が大きくなるため、一定の放射線強度に対して毎分カウント数が多くなります。一方、放射線レベルが高い場合は大きな管ではカウントが多すぎて直線性が失われるため、小さな管の方が優れています。Ludens氏はバックグラウンドレベルや、バックグラウンドよりせいぜい数倍強い弱い放射線源など、非常に低い放射線レベルの測定のみに着目していたため、大きなガイガー管が必要だったと説明しています。使用されたのは平均的なバックグラウンド放射線で毎分88カウント、コバルト60(Co-60)線源による1µSv/h(マイクロシーベルト毎時)の放射線量率で毎秒8カウントの定格を持つ中国製の「J306β管(ガラス製)」です。

また、以下はガイガーカウンターに使用された目盛り。注意点として、作者は正確な放射線量が分かっている線源を持っていないため、あくまでガイガー管に使用した「J306β」のメーカー仕様を基にメーターを調整しています。


Ludens氏によると、ガイガーカウンターに単純な回路とアナログメーターを使用する場合と、液晶ディスプレイにデジタルで表示される場合とでは、それぞれに独自の利点があるそうです。デジタル式は長時間にわたってカウントを積算できるため、安定した放射線レベルを測定する際の精度が向上します。一方で、アナログ式はディスプレイ上の変動する数字を読み取って解釈するよりも、メーターの針の動きを見るのみのためはるかに簡単で、放射線源を探すエリアをスキャンする際にはより便利です。

最終的に、Ludens氏は「小型のチューブはデジタルカウンターで使用する必要があるが、大型のチューブは低レベルの放射線でもアナログ回路を使用でき、高レベルの放射線ではどのサイズのチューブでもアナログ回路で動作する」と判断し、自作のガイガーカウンターにより適した方式としてアナログ回路を選択しています。以下がLudens氏の公開している回路図。


Ludens氏が自作したガイガーカウンターの大きな特徴として、消費電力の小ささがあります。当初は9V電池を使う回路設計を始めたところ、微調整を重ねるうちに消費電流を5mAまで下げることに成功。そこから電子工学分野の友人にも相談したことで消費電流の削減に取り組み始め、数日後には9Vで0.21mAまで消費電流を下げることができました。その後さらに、9V電池を使う必要はないと考え、最終的に1.5Vの単3形電池1本で動作するように変更し、最終的な消費電流は約1.1mAとなりました。これにより、計算上の連続動作時間は単三電池1本で2000時間以上に達しています。

Ludens氏はレーザー彫刻機を使用してプリント基板も自作しており、既製品を購入した小さな昇圧コンバータモジュールを除いて、完全に昔ながらのスルーホール部品を使用しています。スピーカーやメーター、スイッチ、ガイガー管は基板に取り付けず、小型ケースに収めることで持ち運べるようにしています。以下は完全に組み立てられた基板の写真。


実際にLudens氏が自作したガイガーカウンターで自宅の敷地を調べてみたところ、敷地内では特に変わったことは見つからなかったものの、ガレージに保管している肥料で反応がありました。肥料には硝酸カリウムが含まれており、硝酸カリウム内の「K-40」によって強い反応が出たと考えられます。

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in ハードウェア, Posted by log1e_dh

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