冒険の匂いにワクワクするザイオン国立公園とブライスキャニオン国立公園

アメリカを南部まで進むと植物の姿も形を変えて乾燥地帯に突入します。海に囲まれて湿度の高い日本だからこそ、雨の降らない乾燥した場所は遠い存在。西部劇やインディ・ジョーンズ シリーズの舞台です。または、ドラゴンボールのナメック星。この乾燥したユタ州南部からアリゾナ州にかけてはグランドサークルといわれるグランドキャニオンを含む国立公園が密集するエリアになっています。ソルトレイクシティを出てから、渓谷と奇岩のザイオン国立公園、土柱が林立するブライスキャニオン国立公園を見て周りました。冒険の匂いがする抑えられないワクワク感はたまりません。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。ソルトレイクシティを出てから1ヶ月かけて、グランドサークルのエリアを走りました。
ザイオン国立公園とブライスキャニオン国立公園はこちら。
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10月の上旬のソルトレイクシティは日中は日差しも暖かくて過ごしやすかったです。そうした穏やかな日々も、寒波がやって来ると一転。三日間降り続いた雪は街を白一色に染めました。
降り積もった雪

しばらくは寒さも厳しい走行でした

太陽は出ているのですが日中に気温はそこまで上がらず。人のいない場所を走っていたので、見渡す限りの大雪原。それでも300km程南下を続けると、雪は姿を消してくれます。そこからは雪に悩まされることはありませんでした。
放牧されている羊さんにひと安心

前日までは雪があったのに。

ラ・バーキン(La Verkin)の街から、ザイオン国立公園へ向けて登り坂を一つ越えます。それがまた、別世界への入り口のようで……。一度登ってしまえば、ザイオン国立公園までは平坦。ソルトレイクシティを出てから6日でザイオン国立公園のキャンプ場に到着しました。
この坂を越えてザイオン国立公園へ進みます

ザイオン国立公園へ向かう途中の岩山

日が暮れる前のザイオン渓谷

自分が走ってきた方向とキャンプ場

ザイオン国立公園といえばバージン川によって削られたザイオン渓谷が有名なので、朝方に少し走りました。キャンプ場から北側に位置するザイオン渓谷は行き止まりになるので、荷物はキャンプ場に置いていきます。道路の両側にそびえる岩山の圧迫感、東京の高層ビルの合間を駆け抜ける感覚でした。
ザイオン渓谷を走る

「司教の宮殿(Court of the Patriarchs)」と呼ばれる3つの岩峰。

谷間を蛇行する道路

ザイオン渓谷を作ったバージン川

ザイオン渓谷に敷かれた道路の終点は「テンプル・オブ・シナワヴァ(Temple of Sinawava)」

渓谷だけも息を呑むのに紅葉まで加わって……

岩峰に囲まれて身動きできません

「グレート・ホワイト・スローン(Great White Throne)」は世界最大級の一枚岩。バージン川との標高差は700mを超えています。

キャンプ場

もう一度、朝方のザイオン渓谷。

キャンプ場を出てから東に曲がって「マウントカメルーン・ハイウェイ(UT-9)」を進みます。つづら折りになった道を上ってトンネルを抜けると高原に出て、ブライスキャニオン国立公園へにも道は続きます。高原に出ると岩々はザイオン渓谷とはまた違った形を見せてくれました。
壁のような渓谷の中に……

つづら折りが続いて登っていきます。緩やかで、景色も綺麗で、チャリダーとしては理想的な上り。

橋のように削られている岩山

峠のてっぺん近くで。

頂上はトンネルとなっていて自転車は通行禁止。トラックを運転するアメリカ人をつかまえて、荷台に自転車を載せてもらいました。

高原に出ると、空が広がります。

誰が傷つけた紋様?

どろどろしている岩

大地に引っ付いたフジつぼのような形をしています

薄くて脆そうだけど岩なので割れません

底には岩を削る川があります

「チェッカーボード・メサ(Checkerboard Mesa)」は名前の通り、岩の表面が碁盤目状。

ザイオン国立公園を出てから、次はブライスキャニオン国立公園を目指します。138kmしか離れていないのですが、1000m以上は標高を上げないといけないので疲れました。ブライスキャニオンの淵は標高2400m近くになります。
高原地帯を見渡して。

ブライスキャニオン国立公園の手前にあるレッドキャニオン

真っ赤な岩肌

道路上にはトンネルも。

標高7777フィート、つまり標高2307メートル。

ブライスキャニオン国立公園のキャンプ場には昼過ぎに到着して、テントを張ってから観光に出かけました。ブライスキャニオンは水や風によって浸食された「土柱」と呼ばれる巨大な蟻塚のような柱が円形の空間に密集していて奇妙な景色を造っています。高い所から見渡す景色にも見事でしたが、中に入って歩いてみると、ブライスキャニオンをより楽しめます。
「インスピレーションポイント (Inspiration Point)」から見渡したブライスキャニオン

地球サイズでどこまでも見渡せます

こちらも遠くまで。

土柱は円形劇場の中の観客!?

淵がすり鉢状になった斜面

淵を歩いて角度が変わると、見える景色も変わっていきます。

崖の中身が削られてアーチに。

「ブライスポイント(Bryce Point)」から見たブライスキャニオン

少しトレイルを歩いていきます

道の先にはトンネル

ここだけ削られずに取り残された土柱

溶けているかのような表面

先ほどは上から見たアーチを下から見上げて。

どんどんと降りていきます

隙間から見える土柱の森

雷神のハンマー(中央)とスリーシスターズ(右)と呼ばれている岩々

「サンセットポイント(Sunset Point)」から見た夕暮れ

夕暮れで岩肌の色がくっきりとしていました

ブライスキャニオンに夜が来ます

夕暮れは17時過ぎなので、昼過ぎから周っても十分だと考えていたのですが、15時を過ぎたら太陽の光はブライスキャニオンの中には届きません。暗い写真ばかりでは面白くないので、翌朝にもう一度歩きました。谷底にまで光が行き渡ると、見える景色も変わります。
「サンライズポイント(Sunrise Point)」から見たブライスキャニオン

土柱も鮮やか

谷底に降りていきます

丸くなっている谷底

土柱を見上げて。

「等身大の人間が蟻塚を作ったらこのサイズかも」と思ったり。

土柱と樹木の背比べ

植物は発芽してしまったら、どんな所でも生きていくのですね。

青い空に近づく為に、こんな所でも背丈を伸ばして。

ブライスキャニオン内は天然の迷路

トレッキングを終えた「サンセットポイント(Sunset Point)」から。

朝の方が全体的に鮮やかですよね

淵を歩いて「サンライズポイント(Sunrise Point)」に戻ります。

ザイオン国立公園、ブライスキャニオン国立公園では、人間が扱えるサイズも時間も何の役にも立ちません。だからこそ、心奪われてしまうのでしょう。グランドサークルはまだまだ終わりません。更に加速して、地球のスケールに圧倒されてきました。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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in 取材, Posted by logc_nt
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