チームでのプロジェクトを成功させる秘訣34項目「コラボレーション・パターン」
これまでにない全く新しいものを生み出す時や未知なる領域の問題を解決しようとする時、複数の人でのコラボレーションが重要になりますが、「コラボレーション・パターン」はそうやって複数の人間が一つのことに取り組む際に、アイデアを積極的に出し合い、メンバーが互いを高めあいながら、個人では考えられなかったような結果を出すことができるようパタン・ランゲージの考え方に基づいて作られた34項目。対立や分裂で破滅的な結果が起こることもある集団での作業を、ポジティブな結果に昇華させます。
コラボレーション・パターン ― 創造的コラボレーションのためのパターン・ランゲージ
http://collabpatterns.sfc.keio.ac.jp/index.html
コラボレーション・パターンは全部で34項目あるのですが、パターンは大きくわけて「未来への使命感」「方法のイノベーション」「伝説を作る」の3つのまとまりに分かれており、それぞれのまとまりがさらに3つに細分化する構成でつづられています。「未来への使命感」は「チーム」に関するパターン、「方法のイノベーション」は「創造」に関するパターン、「伝説を作る」は「成果」に関するパターンとなっており、これらのパターンが相互に関係し合うことで、創造的コラボレーションの実現を支えています。
ということで、創造的コラボレーションの秘訣34項目は以下かから。
◆00:創造的コラボレーション
メンバーが互いに高め合いながら成長し、個人には還元できないチームレベルの創発的な勢いに乗りながら、世界を変えるような成果を生み出す。
◆01:未来への使命感
未来のあるべき姿をイメージし、それを実現しなければという使命感をもってプロジェクトに取り組む。
◆02:方法のイノベーション
成果を生み出すプロセスに着目し、新しい方法を考え、それを実践する。
◆03:伝説を作る
世界を変えるつもりで徹底したこだわりをもって取り組み、歴史に残るような成果を生み出す。
◆04:成長のスパイラル
他のメンバーのがんばりや成長から刺激を受けたり、自分から刺激を与えたりして、お互いに高め合いながらプロジェクトを進める。
◆05:共感のチームづくり
「目指す未来」や「志」に共感できる人とチームを組む。
◆06:レスポンス・ラリー
メンバーが投げかけたことに、どんなに小さくてもよいので反応を示す。
◆07:一体感をつくる
個々の作業のほかに、全員で同じ体験を共有できるような工夫をする。
◆08:貢献の領域
自分の知識やスキルをプロジェクトにどう活かせるのかを、自ら考える。
◆09:成長のリターン
自分がプロジェクトに参加する意義や、プロジェクトの経験から得たい学びを明確にする。
◆10:自発的なコミットメント
「プロジェクトが自分(たち)のものである」という意識を持って、主体的に取り組む。
◆11:ゆるやかなつながり
プロジェクトで集まる時間以外でもゆるやかなつながりを持ち、それとなく他のメンバーの状況を知ることができる工夫をする。
◆12:弱さの共有
プロジェクトに関することでも、それ以外のことでも、抱えている悩み・不安・問題をチームのメンバーと共有する。
◆13:感謝のことば
周りの人との関係や今ある環境を見つめ直し、他の人のサポートに対して感謝の気持ちを表す。
◆14:創発的な勢い
どんなことでも言いやすい雰囲気をつくり、創造的な発想の連鎖を引き起こす。
◆15:まとまった時間
目指すクオリティに達するまで作業ができるように、まとまった時間をとる。
◆16:創造の場づくり
楽しくのびのびと創造的な活動ができる空間を、自分たちでつくる。
◆17:活動の足あと
それぞれの作業の成果や記録をメンバー全員で共有し、誰でも必要なときに時系列でたどり直せる仕組みをつくる。
◆18:意味ある混沌
何をどうすればよいのかがわからない状況。その状況こそ、まったく新しい道が開くチャンスである。
◆19:アイデアをカタチに
行き詰まって混沌とした状態を、新しい道が開けるチャンスだと捉え、そこにとどまって考え抜く。
◆20:インサイド・イノベーター
よいと思うアイデアを、まずは自分だけでもよいから育て、徐々に理解や共感をしてくれるメンバー増やし、巻き込みながら進めていく。
◆21:ゴールへの道のり
メンバー全員で今後の流れを把握し、ゴールから逆算しながらマイルストーンを設定する。
◆22:臨機応変な動き
プロジェクト全体の進行と個々のメンバーの状況をみて、いま自分が何をすべきかを考え、臨機応変に動く。
◆23:飛躍のための仕込み
メンバーの気持ちが高まり、みんなが盛り上がるような仕掛けを準備し、実行する。
◆24:世界を変える力
いまの成果が本当に「世界を変える力」を持っているのかを問い続ける。
◆25:クオリティ・ライン
目指すクオリティを高いレベルに掲げ、それと現状との差異を全員で何度も確認する。
◆26:こだわり合う
よりよい成果を生み出すために、本気で意見をぶつけ、話し合う。
◆27:一度こわす
カタチになったものを思い切って壊して、つくり直す。
◆28:期待を超える
受け手が想像していると思うものを想像し、それを超えるように成果を育てていく。
◆29:ファンをつくる
ワクワクしてくれる「ファン」をつくるつもりで、つくったものの世界観を磨き上げる。
◆30:広がりの戦略
目指していた成果だけでなく、さらなる展開を考え、多面的にアプローチしていく。
◆31:世界の文脈
世界の文脈を踏まえて、自分たちの取り組んでいる/取り組むことにどのような意義・価値があるのかを考える。
◆32:つくり続ける強さ
コラボレーションの基礎体力を上げるために、日々、資本となる心と身体を鍛える。
◆33:感性を磨く
良質なものを見たり感じたりすることで、感性を磨く。
なお、コラボレーション・パターン プロジェクトは慶應義塾大学の井庭 崇 研究室で作成されたもの。画面右上からPDFファイルがダウンロードできるので、スマートフォンやタブレットに入れておくと必要な時にすぐ確認できて便利です。
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