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Google、Appleに続く世界規模のマップを作るノキアのマップ制作ノウハウ

By crimfants

オンラインで利用できるマップの話題といえば、つい先日のiPhone 5の地図がひどすぎてティム・クックCEOが謝罪というのを思い出しますが、オンライン地図サービスの巨人であるGoogleマップ、そしてAppleの他にも地図製作プロジェクトに挑んでいるメーカーがあります。それがノキアです。

The Atlanitcが、ノキアがどのように地図を作っているのかという謎を解き明かしています。

The Forgotten Mapmaker: Nokia Has Better Maps Than Apple and Maybe Even Google - Alexis C. Madrigal - The Atlantic



Googleは多くのリソースを投下してGoogleマップを作り上げ、今も更新し続けています。世界中で使えるオンライン地図サービスではNo.1といっても差し支えありません。データはゼンリンなどから提供を受けています。そして、Googleを追うのがiOS 6から自前の地図アプリを搭載することにしたApple。こちらのデータはインクリメントPなどを使用しています。

この二大巨頭を追う第3勢力がノキアです。実はノキアも何千人もの地図制作者を抱え、Googleのストリートビューカーと同じような撮影車両を投入しています。2007年には地図情報システム企業のNavteqを80億ドル(約6300億円)で買収しています。ノキアというと携帯電話メーカーとしては日本から撤退してしまっていますが、Bingマップにデータ提供をしていたりします。

Googleのストリートビューカーは年間500万マイル(約800万km)以上を走行しています。一方、ノキアの撮影車両はそこまでは走っていませんが、年間で330万マイル(約530万km)ほどを走行している流通大手UPSFedExに協力してもらっています。Cliff Fox副社長によると、毎月送られてくる道路交通情報は120億ポイントにもなっており、UPSやFedExのトラックからだけではなく、カーナビを使っている一般の人からも情報を提供してもらっているとのこと。

そのノキアで撮影車両を担当しているのがTony Cha氏。CTOのHenry Tirri氏からは「データ収集の奇跡」だと呼ばれており、これまで3年の間、街から街へと車を運転し続けています。生活は常にホテル暮らしで、旅行を会社が経費で出してくれているようなところがいい点ではあるものの、友人や家族とは全く会えないとも語っています。


ちょうどこのThe Atlanticの取材を受けたときは故郷フレズノを撮影中だったCho氏は、市内の地図を完成させるために1日に8~9時間走り続けています。この“ネバーエンディングドライブ”については、もはやシュールの領域に入ってきていると感じているCho氏。「この町のありとあらゆる通りを運転しました。そういう町が、いくつもあります」と語りました。

町中の撮影は雨の日は向いておらず、乾燥していて温暖な日がベスト。そのため季節に左右されやすく、夏は北部へ、冬は南部へと向かうそうです。


もちろん、撮影は町中を適当に走り回っているわけではなく、アルゴリズムによって最も効率的に走るルートが算出されています。たとえ道を間違えても、すぐに次の効率的なルートがはじき出されるようになっています。その日の運転が終わるとまっすぐホテルに帰り、翌日には昨日のゴール地点まで戻ってリスタートを繰り返す自分のことをCho氏は「ある意味では、ほとんどロボット状態ですね」と表現しました。

これがCha氏の運転するフォルクスワーゲンの屋根の上の装備。道路標識を撮影するための6台のカメラ、Bing Street View用のパノラマカメラ、GPSアンテナ2基、ノートPC3台、LIDARシステムと呼ばれる、360度に向けて64本のレーザーを放ち3Dイメージを作成する機械などを搭載。20万ドル(約1600万円)の価値があるとのこと。


LIDARシステムがどう役立っているかというと、たとえばこういう道を撮影車両が走行すると……


道路周辺の建物の状況などをレーザーで読み取り……


道路の幅や張りだした通路との距離などを把握できる、というわけです。


ノキアの撮影車両は13の異なる国の100種類以上の異なる道路標識を判別することが可能。ただ、まだプロセスの自動化は25%程度で、今後50%までは自動化したいと技術者は考えています。

道路はまるで生き物のように変化していきますが、ノキアはこれを「生きた地図(The Living Map)」と呼び、迅速に変化に対応していくための仕組みを整えていて、世界地図がそのまま「世界のコピー」であることを目指しているとのこと。

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in メモ, Posted by logc_nt

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