ソフトウェア

複数の無線LAN・3G・4Gネットワークを束ねて爆速でインターネットに接続する「Dispatch」


カフェや空港などに行くと複数のSSIDが利用可能な無線LANアクセスポイントとして表示される場合がありますが、実際に接続してデータ通信を行うには通常1つのアクセスポイントだけを選んで接続を確立しなければいけません。ところが、現在開発が進められている「Connectify Dispatch」というソフトを使用すれば無線LANはもとより3G/4GモバイルルーターやLANケーブルまで、あらゆるインターネット接続方法とのアクセスをまとめて確立して一気にデータの送受信を行い、通信速度をアップすることが可能になるそうです。

Dispatch: The Internet, Faster. by Connectify — Kickstarter

このプロジェクトを行っているのはPCを無線LANルーター化する無料ソフト「Connectify Lite」などの配布を行っているConnectify社。


ConnectifyのALEX氏によるプロジェクトの説明は以下の通り。


「ヘイ!」から始まる同氏の割とノリノリのトークと手描きのイラストで機能説明が行われます。


「Connectify Dispatch」の機能は利用可能なインターネット接続を束ねて通信スピードと安定性を向上するというもの。


例えばカフェの無線LANと手持ちの4Gモバイルルーターを同時に使用してより高速にデータの送受信を行う、といったことが可能。


ネットサーフィンやストリーミングムービーの干渉、ファイルのダウンロードなどがより快適に行えるようになります。


実際にCNNのウェブサイトを表示して、1つのアクセスポイントを使用した場合と2つのアクセスポイントを使用した場合の速度を比較しているムービーは以下でチェックしてみてください。

Use Connectify Dispatch to Speed up Everyday Web Browsing - YouTube


LANケーブルや3G/4Gモバイルルーター、無線LAN、スマホのテザリングなど、インターネットとの接続方法は何でもOK。


7つのUSB接続WiFiカードと4Gネットワークに接続できるスマートフォンでのテザリング、USB接続の3Gモデム、LANケーブルに「Connectify Dispatch」を同時に使って85Mbpsの速度で安定してネットに接続している様子は以下のムービーで見られます。

Use Ten Internet Connections at Once with Connectify Dispatch! - YouTube


1つのWiFiアクセスポイントに接続した場合は平均1.1Mbpsの速度しか出せない状態でも「Connectify Dispatch」を使って複数のアクセスポイントに接続すれば、約3.8Mbpsの速度が出ています。

Download Steam Games Twice as Fast with Connectify Dispatch! - YouTube


このソフトウェアのセールスポイントはロケットサイエンス並の複雑なテクノロジーを誰でも使用可能なレベルに落とし込んでいる点。


複雑なネットワーキングを行うソフトですが、使用するのは簡単。


また、複数のネットワークを使用することで通信スピードだけでなく安定性の向上にも寄与できるとのこと。


ゲームをダウンロードしている最中に1つの接続が途切れても、速度は落ちるものの接続が切れない仕様になっていることが、以下のムービーを見るとわかります。

Connectify Dispatch Makes GameFly Downloads Twice as Fast and Twice as Reliable - YouTube


また、例えば4Gのモバイルルーターが従量課金制でお金がかかってしまう場合でも……


同時に接続している無料のWiFiを優先にしてモバイルルーターの通信料金を抑えることができます。


つまり、「Connectify Dispatch」はインターネット接続における速度、安定性、コストの問題を解決してくれるというわけ。


中核となる技術は確立されていますが……


プロジェクトをゴールに導くにはさらなる資金援助が必要とのこと。


このプロジェクトが成功すれば「Connectify Dispatch」をインストールしたPCと、そのPCを無線LANホットスポット化する同社のソフト「Connectify」を使用してiPadやスマートフォンなどの製品を高速でインターネットに接続する、といったことも可能になります。


また、「Connectify Dispatch」はAPIを公開する予定なのでアプリの開発者などは自分の製品にこのソフトの機能を組み込むことができます。


ちなみに、「Connectify Dispatch」のUIはこんな感じを予定しているそうです。


というわけで「ネットワーク革命の始まりに参加してください」というメッセージと共に説明は終了。


このプロジェクトには1ドルから投資をすることが可能で、日本時間で9月7日(金)午後9時1分まで出資受付中。記事作成時点では50ドル(4000円前後)を払えば「Connectify Dispatch」のライセンスとPCをホットスポット化できるソフト「Connectify Hotspot PRO」の1年分のライセンスを手に入れることができます。

・つづき
複数のモバイルルーターや無線LANを束ねて安定した高速インターネット接続を実現する「Dispatch」を使ってみた - GIGAZINE

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in ソフトウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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