サイエンス

ガンダムに出てくるスペースコロニーのもとになったデザインいろいろ


地球上の増えすぎた人口をどうにかするため宇宙に植民地を作り、人を移していく……というのが「機動戦士ガンダム」の舞台設定ですが、このような巨大な人工の居住地であるスペースコロニーは実際に1970年代に提唱されたアイデアからきています。居住区域を回転させることで、遠心力のような感じで疑似重力が生じ、またコロニーの内部には地球上の自然が再現されるため、人々は地球で暮らすのと全く同じ感覚で宇宙で暮らすことが可能になります。NASAによって具体案まで作成されたスペースコロニーには、以下のようなデザインがありました。

Space Colony Artwork 1970
https://space.nss.org/settlement/nasa/70sArt/art.html

◆シリンダー型(オニール型)
1974年にジェラルド・オニールによって提案された筒状のデザインです。1つのコロニーに1000万人の人口を想定しています。


たくさんのコロニーが宇宙にふわふわ浮かびます。


中は冷たく無機質……ではなく、どこかの村をそのまま持ってきた感じ。


川には橋がかかっています。手前では水着姿の人々がまったりと川遊び。


窓の外側には太陽光を反射する鏡が設置されており、昼夜や季節の変化を作り出します。緑が広がり、雲が浮かび、日食が起こるという地球そのままの風景を再現。


◆ドーナツ型(トーラス型)
スタンフォード・トーラスは1975年にデザインされたものです。1万人の人口を想定しており、太陽光は鏡で取り込まれています。


内部はこんな感じ。団地っぽいです。


リングの内側は車輪のようになっており、中心から放射状に棒のようなものが伸びています。ここを利用して人や物資の移動が可能になるというわけ。


こんな風にリング状になっていてもコロニーを回転させることによって重力が生まれ、住人達は普通に歩くことができます。


宇宙自動車で他のコロニーへお出かけすることも可能。


◆ベルナール球(バナール球)
ベルナール球は1929年にJ・D・ベルナールが提案したデザインです。大きな球体の中で2~3万人が暮らせるよう設計されています。


こちらは球体の断面図。


ベルナール球でも太陽光を鏡で反射させて内部に取り込むので、明るい日差しのもとで食事会だってできます。


コイル状の部分は農牧スペースとなっています。


コロニーのクルー達が働いている様子。


これら宇宙に関する写真や絵は構想の面白さだけでなく、絵としてもとても美しく、見ているだけで夢が広がります。

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in サイエンス,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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