オンラインRPGは多くの夫婦の結婚生活に悪影響を与えている
by chrisjagers
「World of Warcraft」のようなオンラインゲーム(オンラインRPG)は、結婚生活にマイナスの影響を与えているという研究結果が報告されています。この結果は、夫がヘビーゲーマーである場合に顕著に現れていました。
Online role-playing games hurt marital satisfaction, says BYU study
ブリガムヤング大学のNeil Lundberg教授と大学院生のMichelle Ahlstromさんらは、オンラインRPGが結婚生活に与えるマイナスの影響について研究を行いました。この研究成果は2月15日発行のJournal of Leisure Researchに掲載されています。
調査は349組の夫婦に対して行われました。回答者の平均年齢は33歳で、結婚生活は平均で7年目。夫婦のうち、夫だけがゲーマーだというケースが84%。夫婦ともにゲーマーという事例もあり、その場合も、夫の方がよくゲームをしているというケースが73%を占めました。
調査の結果、ゲーマーの配偶者のうち75%が、ゲームでのギルド生活よりも、現実での結婚生活にもっと熱を入れて欲しいと感じていることが明らかになりました。特に、夫がヘビーゲーマーである場合、妻が結婚生活に不満を抱くケースが多く見られました。これは、ゲームをしていることでベッドインする時間がずれることが原因となっていて、そのために結婚生活がつまらなくなり、一緒に居る時間が減り、大事な会話の量も減るということ。
一緒にゲームをしているという夫婦でも、同じように結婚への満足度が低いケースがあり、その原因は同じくベッドタイムの夫婦間のズレにありました。ゲームのことで口論になってしまい、“寝る前の儀式”(例えば歯を磨く、髪をとかすなど、毎日やっている決まりごと)が妨げられると満足度は下がります。しかし、76%のゲーマー夫婦は、ゲームはいい影響を与えていると答えました。
by clarkmackey
調査を行ったAhlstromさんは「すべてのゲームが悪いわけではないんです」と述べています。ゲームで一緒に遊ぶことが、二人の関係を深めていることもあるからです。しかし、どんなゲームをするのかはよく考えて欲しいとのこと。ゲームで何をやっているのか、どれぐらいの時間をかけているのか、ゲームは学校生活に、仕事に、睡眠に、体に、配偶者と結婚生活に、どんな影響を与えているのか、です。
一通りの調査は終わりましたが、実情はこの研究結果よりも悪いのではないかと、Lundberg教授らは考えています。というのも、本当に熱心なヘビーゲーマーは、こんな調査に協力してくれないからです。
世界中で多くのゲーマーが結婚しており、特に36%のMMORPGプレイヤーが結婚しているという報告があることから、こういった問題は広い範囲で発生しているのではないかとみられています。
・関連記事
オンラインゲームにはまりすぎて娘を死なせた母親に懲役25年 - GIGAZINE
オンラインRPGで仲の悪いユーザーをリアルで撲殺 - GIGAZINE
オンラインゲームのアカウントを停止されたプレイヤー、ワイロで復活を試みる - GIGAZINE
オンラインゲームを楽しむために大量のPCを設置する人たち - GIGAZINE
「俺の屍を越えてゆけ」を生んだ桝田省治はゲーム業界をどう見るのか - GIGAZINE
オンラインゲームを「オカンでも説明無しで楽しめる」ように作るためにすべきこと - GIGAZINE
「日本のゲームが持つ問題点」や「開発における日本とアメリカの明確な違い」を最前線にいる当事者がハッキリと語る - GIGAZINE
・関連コンテンツ