宇宙エレベーターがものすごい勢いで高空に駆け上がっていくムービー

by FlyingSinger
スペースシャトルなどを使わなくても地上から宇宙までエレベーターのようなもので上がることができれば……という構想が「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」です。まるでSFの絵空事のようですが、安価に宇宙へアクセスできる手段として検討されています。
国内ではJSEA 一般社団法人 宇宙エレベーター協会という団体があるのですが、そこが行った宇宙エレベーター技術競技会のプロモーション映像を見ていると、本当に宇宙エレベーターがさほど遠くない未来に実現しそうな感じがしてきます。
JSETEC2011_J - YouTube

宇宙エレベーター技術競技会とは、宇宙エレベーターの実現に向けた技術の蓄積を目的とする競技会だそうです。

第3回の競技会は2011年8月初頭、静岡県富士宮市の大沢扇状地で行われました。

まずは競技会場の設営からスタート。

宇宙エレベーターといっても、実際に宇宙からケーブルを垂らしてくるわけにはいかないので、高く上げる風船がその代わりとなります。

夏休み中ということで、子ども連れで参加している人もいたようです。

このように風船を高さ600mまで上げ、3本のアンカーで固定します。

そのバルーンから垂らしたケーブルをエレベーターが上がっていく、というわけ。

ゴールは遙か上空なので、こういったビデオカメラで確認します。

アレが上空ゴールバンパー。実際は目に見えるような距離ではありません。

最初にエレベーターが上がっていくためのケーブルとして使われたのはこのベルトテザー。

ゴール地点とはLANで繋がっていて、エレベーターがどれぐらいの早さで到達したのかを測定できます。

ぎゅいいいいん

風船めがけて上がっていきます

こちらはロープテザー。

これは今回の競技会で総合第3位、制御賞だった日本大学理工学部青木研究室の「青木研PLUS」。

高さ450mまで4分19秒で到達しました。

総合準優勝、多機能賞は個人参加のチーム奥澤「momonGa-3」。

たぶん、そこいらのエレベーターとは比べものにならないパワーで上がって行っています。

こちらは560mを1分3秒。

耐環境賞、信頼安全賞だったのは神奈川大学工学部江上研究室の「江上研A」。

スタートをみんなで見守ります。

2つのローラーでベルトテザーをしっかりと挟み込む仕組み。

どんどん高度を上げていきます。

300mに1分11秒で到達

「トラブルも数々起きる」ということで……

このように発火してしまうことも。

トラブルの一つ、モーターの発火。

ローラー破損

ベルトテザー裂断

競技会は1日だけでは終わらないので、このように裂け目が広がらないように補修が行われます。

次の日はバルーンの高度が569mに。青三角印のところにバルーンがあります。

総合優勝、メンテナンス賞だったのは個人参加の「Aquarius」。

かなりスマートな形をしています。

参加者の自動車を見下ろしながら上がっていく宇宙エレベーター

いま、青い三角印のところを上がっているようです。

450mまで27秒、533mまで39秒だったとのこと。

国交省をはじめ、いろいろな企業が協力しています。

このプロモーション映像の撮影・演出を担当したのは、この協会の正会員でプロの映像作家である鎌田恭彦さん。

次回は2012年8月に、高度1200m級で実施されるとのこと。

宇宙エレベーターがどのようなものなのかというのは、協会のページでかなり簡単に説明されています。
初めての方へ──宇宙エレベーター早わかり | JSEA 一般社団法人 宇宙エレベーター協会
「鳥人間コンテスト」が多数の参加者によってどんどん技術が進歩し飛距離が伸びていったように、宇宙エレベーターも多くの人が関心を持っていくことでこういった競技会が盛り上がって、宇宙エレベーターの実現へと近づいていくかと思うとワクワクします。
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