「これはテストです、ビッチども」と利用者に送ったネットサービスに何が起きたのか
by thelampnyc
サービス運営者がテストメールを間違えてユーザーに送ってしまうという時点でマズいわけですが、その内容が「これはテストです、ビッチども」だったら、もうフォローは不可能。これがたとえ話ならいいのですが、海外のウェブサービスで実際にこんな事例が発生してしまったそうです……果たして、このメールを送ったサービスはどうなってしまったのでしょうか。
fetchworthy notes • What Happens When You Swear At Your Users
このミスを犯してしまったのはソーシャルメモサービスの「Fetchnotes」。Google Apps、Evernote、Outlookなどすでに利用中のサービスから乗り換える必要がなく、「@」を使った記法により自分だけではなく他人ともメモを共有できるというサービスです。
Fetchnotes
http://www.fetchnotes.com/
Fetchnotesが料金プランや新機能、そして一般公開を発表することになったのが2012年1月23日のこと。共同創業者で同社CEOのAlex Schiffさんによると、このときFetchnotesでは新しいメールサーバーを利用していたのですが調子が悪く、まさに問題が解消しつつあるところだったそうです。そのため、問題が解決したか確認するため、最後にテストメールを送信しました。それは、こんな内容でした。
これはテストです
ビッチども
メールは自分たちに向けて送ったつもりだったのですが、誤って全ユーザーに対して送信する形となってしまいました。言うまでもなくオフィスは大パニックに陥り、スタッフはみんな慌て騒ぎ回りました。Schiffさんが最初に考えたのは、ユーザーからも激しい反応があるだろうということ。そのためすぐに緊急体制をとり、Olarkというユーザーと対話可能なライブチャットに人員を配置し、殺到するであろうアカウント削除リクエストに応えるための用意を調えました。
やがて、ユーザーの反応が届きましたが、Schiffさんたちは、その反応がちょっと不思議なものであることに気付きました。メール、ツイート、Olark、Facebookのコメントなどなど、全部で500件以上の反応がありましたが、そのうち95%以上がマイナスのものではなかったのです。謝罪をして、それでも怒っている人はもちろんいましたが、「笑っちゃったから、謝らなくてもいいですよ」という反応も多数でした。中には「こんなメールが来なければサービスのことは忘れていたよ。使うかどうか、いま再考中」というような人もいて、実際にこのメール送信後、ユーザーは増加しています。
なお、Fetchnotesでは現在、開発からウェブサイトのコピーライターまでありとあらゆる面で手伝いをしてくれる人を募集中だそうです。もちろん、「反応が悪くなかったからといって、失礼なメールを送ってしまったことが帳消しになるわけではない」とSchiffさんは改めて謝罪の意を表明していますが、ユーザーの反応の良さに、最後は「本当に、お前ら最高だぜ!」と締めくくっています。
いわゆる「炎上マーケティング」に近いやり方ですが、狙って仕掛けたわけではないだけに、やったことに気付いた後のパニックは想像もつきません……。
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