FTPクライアント「FFFTP」、有志が集まって開発再開・バージョンアップ継続へ
8月末に定番FTPクライアントだった「FFFTP」の開発が終了しました。しかし、まだ需要はあるはずということで、有志が集まってFFFTP Projectを立ち上げ、公開されているソースコードを使って今後も開発・バージョンアップを続けていくことになりました。トップ画像はその最新バージョンのスクリーンショットです。
FFFTP (エフエフエフティーピー) プロジェクト日本語トップページ - SourceForge.JP
1997年に登場したFFFTPはVectorや窓の杜、各種PC雑誌で定番ソフトとして取り上げられ、最初に触ったFTPクライアントはコレだったという人が多いソフト。2002年オンラインソフトウェア大賞ではSleipnirやTMPGEnc、Operaを押さえて大賞を獲得しています。
FTPクライアントといえば今でも「とりあえず初心者はFFFTPを導入すればOK」という考えがある以上、需要はいまだに多く、有志による開発継続はとても喜ばしいニュースです。
10月12日には最新バージョンの「FFFTP 1.98」がリリースされました。
この最新アップデートでは
・内部の文字コードをUTF-8に変更
・アスキーモード転送の際に行われる漢字コード変換で新たにUTF-8への変換をサポート
・ホストのファイル名の漢字コードがUTF-8であれば中国語などのUnicode依存文字を含むファイル名も扱えるように
・FTP over Explicit SSL/TLSが使用可能に
などの点が修正されています。
オープンソース化したソフトウェアというと、ネットスケープのソースを共同開発してIEのシェアを脅かす存在にまで育て上げたMozilla Firefoxの大成功が知られています。有名無名あわせれば星の数ほどのオープンソースプロジェクトがありますが、もちろんすべてが成功に結びつくわけではなく、例えばダウンロードソフト「Irvine」のオープンソースプロジェクト「OpenIrvine」はプロジェクト内部では動きがあるようですが成果物はまだなく、むしろIrvine本家側が有志によるスクリプト更新でどんどん最新環境に対応している状態です。
「Irvine」の最新版は2008年7月15日更新の「Irvine 1.3.0」。しかし、数々のダウンロードサイトに対応するスクリプトが有志によって更新されており、本体のアップデートがなくても問題ない状態が保たれています。スクリプトは誰でも更新可能なので、ちょっと変わった形のオープンソースプロジェクトと言えるかも。
現在では、一般ユーザーの視点から見るとFTPを使う頻度は激減しており、ウェブサイトを更新するよりはブログやTwitterを利用した方が手軽であり、また、FTPを使う必要がある時でもわざわざソフトをインストールしなくても、FirefoxアドオンとしてブラウザにFTPクライアント機能を追加できる「FireFTP」があったりします。
ある種、ここがちょうど寿命だったのではないかとも思えるFFFTPですが、まだまだビジネス用途をはじめ出番がゼロになったわけではなく、フリーのFTPクライアントではまだヘビーな用途に耐えうるものがないだけに、新たな血が導入されることで劇的な進化を遂げて欲しいところです。
・関連記事
FTP経由でHDDのバックアップとリストアができるフリーソフト「Ghost4Linux」 - GIGAZINE
オープンソースで超高速に動作するフリーのデフラグソフト「UltraDefrag」 - GIGAZINE
オープンソースで無料のファイル復元ソフト「PhotoRec」 - GIGAZINE
Windowsの技術情報などを非商用目的のオープンソース開発者に無料で公開 - GIGAZINE
・関連コンテンツ