取材

ウォッカだけではない昔はソビエト連邦だった国々の共通点を集めてみました


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。かつて日本の隣にあったソビエト連邦は15カ国に分裂しました。それから約20年の歳月が流れています。今回の旅では昔はソビエト連邦だった国々の11カ国を自転車で走りました。その中には面白い共通点があったりします。集合住宅だったり、コーンアイスクリームだったり、イクラ味のポテトチップス。それらを集めてまとめてみました。もちろん、ウォッカについても話さないといけません。

ソビエト連邦はロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニア、南カフカスのアゼルバイジャン、アルメニア、グルジア、中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの15カ国が、かつて1つの国として存在していました。自分はロシア、ベラルーシ、アゼルバイジャン、タジキスタン以外は訪問しています。

◆文字
まずはロシアの文字から入りましょう。旧ソ連圏では若い世代以外ならたいていロシア語は通じます。パスポートナンバーの頭文字のアルファベットTHを「ティーエヌ」と言っているのにはびっくりしました。ラテン文字の「H」はロシア(キリル文字)ではエヌと発音します。同じアルファベットでも違う発音になるのです。加えてиягのように特殊な文字があります。

パムストップではなくてラムストアーというスーパーマーケット。P=R、C=S。


キルギスの首都ビシュケクと書かれている看板。


こちらもキルギス、チョルポンーアタの街に入って。


こちらはウズベキスタンでみかけたキリル文字の看板たち。


ただ所詮は数の少ないアルファベットですから一つづつ覚えていけば、発音できるようになります。自分も暇さえあれば、看板のキリル文字を解読していました。これらは旧ソ連圏だけではなく、ブルガリアやマケドニアでも使われているので、覚えておくと便利です。

◆建物
次に旧ソ連圏の街づくりを紹介します。計画都市と集合住宅がキーワードです。リトアニアで会った人はグーグルマップの衛星画像で100棟を超える集合住宅の迷路をたどりながら必至に自分の家を探していました。

イランから入ったアルメニアの最初の街が「ソビエト連邦が作りました」と強く自己主張していて興奮しました。計画的に作られた街並みが一望できます。


アルメニアの山中の都市、河に沿った狭い谷間にこんな集合住宅が林立して度肝を抜かれます。


アルメニアの首都エレバンの街並み。


グルジアの首都トビリシの街並み。


リトアニアのカウナスで偶然お世話になった集合住宅。寂れた外見とは一転して、室内は明るく綺麗でした。


ラトビアの首都リガにある味気のない不気味な高層ビル。


碁盤目に作られた計画都市には、まるで滑走路のような幅広い道路が通っています。


そんな計画都市にはトラム(路面電車)が走っています。写真はウクライナのオデッサ。


そしてワゴン車によるミニバスも旧ソ連圏ではよくみかけます。


ロシア正教会の教会は玉ねぎみたいな丸い屋根や変わった色使いで異彩を放っています。これはカザフスタンのアルマトゥイ。


ウクライナのオデッサ。


モルドバの田舎にひっそりと立つ教会。


社会主義だった雰囲気が残る旧ソ連式のホテルに泊まってみましょう。華のない大きな建物が旧ソ連式のホテル……


でも、なぜかロビーは無駄に華やかだったりします。


各階には規則的に部屋が並べられていて、これが不気味で怖くもありました。


こちらが室内。


たまにドラゴンクエストに出てくるような鍵をくれます。


トイレの排水溝の位置が逆だったりするのですがなぜでしょう?


ごつごつとした銅像をみかけるのも旧ソ連圏の特徴だったりします。こちらはカザフスタンのアルマトゥイ。


アルメニアの首都エレバン中央駅の前の銅像。


グルジアの首都トビリシにあったとっても嬉しそうな像。


◆食べ物
旧ソ連圏ではチョコレートとアイスクリームが欠かせませんでした。

かわいらしいパッケージが気に入っていた板チョコレート。


上と同じROSHENのチョコレート。ROSHENはウクライナのチョコレートメーカー。


空気を含んだ食感がたまらない板チョコレート。


そんなにチョコレートが好きな人たちを世界一の食品企業ネスレも放っておきません。


板チョコレートだけでなく、粒チョコレートも量り売りで買えますよ。


そしてアイスクリームも忘れてはいけません。旧ソ連圏ではこのようなコーンアイスをどこでも手に入れることができます。


何かのフルーツの味、いろんなバリエーションがあります。


チョコレート味だったり、


キャラメル味も。


このコーンアイスは1個20円から30円と格安なんです。


甘い物ばかりでなく、食べ物も魅力的なんです。スーパーで売られている酢漬けのお魚をよく食べていました。


マーケットでこんな干物を見かけたから……


白ご飯と一緒に食べてみます。


スーパーではパックのサーモンも手に入ります。


ご飯をよそったどんぶりにサーモンを載せて醤油をたらして。


イクラも買えますよ。イクラって実はロシア語なんです。


ピロシキを忘れてはいけません。肉やジャガイモが入った揚げパン。素朴だけどなかなかいけます。


スナック菓子にもちょっと特徴り。イクラ味のポテトチップスがウクライナにありました。


クラブ味のポテトチップスもありますよ。


スナック菓子といえばKubiti。これも旧ソ連圏ではよくみかけていました。


コーンポタージュに浮かべてあるようなさいの目のスナック菓子です。


◆飲み物
最後は飲料、もちろん締めはあれに決まっています。

クヴァスっていったい何だったんでしょうか。甘いけど苦くて健康に良さそうな飲み物。(注:クヴァス(クワス)というのは東欧伝統の微炭酸アルコール飲料だそうです)


マーケットにこんなタンクがあって営業していました。


ロシアンビアーといったらバルティカ。0から9まで種類あって、それぞれアルコール度数や味が違います。


バルティカ5


バルティカ9。これは0から9まで飲み比べる調査が必要ですね。


そして、最後はウォッカで締めましょう。ワンカップ焼酎ならぬワンカップウォッカをみつけたときにはしびれました。


ふと道わきのベンチで休憩していると、ペットボトルに入ったウォッカを分けてくれるのが彼らの優しさです。おじさんたちは「あいつがウォッカを飲めば、早く走れるんじゃないか」と言っていたかもしれませんが。雪が積もった冬のアルメニアを走っていたとき、買出しをした商店のおじさんは「おいおい若いの、何か大事なものを忘れているぞ、ウォッカがないと夜は冷えるぞ」と確かにいいました。

だから、彼らはウォッカを勧めます。これは旧ソ連圏での通過儀礼です。これを断ると「俺のウォッカが飲めないのか」と場の空気が悪くなります。「とりあえず1杯だけ」と飲むしかありません。ただ、それ以上は勧められても断れますよ。ウォッカを飲むことで始めて認められるのです。なんのこっちゃ。でもまぁ、邪険に扱うことなく一杯だけ飲んで、適当に会話するのが楽しいやり方でしょう。ロシア語の勉強になりますし。


他にも、首都の繁華街にある地下一階にネットカフェがあったり、日本のコンビニなみに外貨両替所が乱立していたり、老婦人の口からきらりと金歯が光っていたりと、旧ソ連圏にたくさんの共通事項があって面白いです。昔はアメリカに並ぶ超大国だったソビエト連邦。崩壊してから随分と時間か経ちますが、それぞれの国では未だに昔は一つの国だった名残が感じられます。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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