2024年最新版「Kindle」シリーズの進化したページ送りや画面表示を旧モデルとも比較しながら体感してみた
Amazonは2024年10月16日(水)に電子書籍リーダー「Kindle」シリーズの新型モデルとして、「Kindle」「Kindle Paperwhite」「Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション」手書きメモ機能付きの「Kindle Scribe」の最新モデルを一斉に発表しました。KindleとKindle Paperwhiteの最新モデルは、前モデルからディスプレイの明るさやページ送り速度などを大きく改善しているとのことなので、実際に前モデルとも比較しながらページ送りや画面操作を体感してみました。
Amazonが 新Kindle(キンドル)シリーズ 4機種を発表。デザインや操作性が向上し、より読書が楽しく - About Amazon | Japan
https://www.aboutamazon.jp/news/devices/kindle-2024
「Kindle」「Kindle Paperwhite」「Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション」の外観は、それぞれ以下の記事を見るとよくわかります。
機能性が向上して新色も登場した「Kindle」2024年最新モデル開封の儀&ラクラク初期設定を試してみた - GIGAZINE
2024年最新版の「Kindle Paperwhite」「Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション」フォトレビュー、前モデルや最新版Kindleとの違いは? - GIGAZINE
まずはKindleの「マッチャ」で画面操作を試してみました。2024年モデルのKindleは、前モデルと比べてページをめくる速度が向上しているそうです。以下のムービーでは、Kindleで「吾輩は猫である」を開いて実際にページ送りを連続でしてみたり、画面を下から上にスワイプしてページスキップの動作をしたり、画面上部をタップして設定メニューから明るさ調整やダークモードの切り替えをしたりと操作を試しています。
Kindle2024年最新モデルの進化したページ送りやディスプレイを体感してみた - YouTube
実際に触ってみたところ、ページ送りは古いKindleで感じるような動作の遅れがほとんどなく、快適に読むことができました。ページスキップの動作や設定画面の反応などは、まだまだKindle端末特有の鈍さがありますが、古いKindleに慣れている人にはかなりスムーズな動作になっていることが感じられるはず。
また、2024年モデルのKindleは前モデルと比べてより高い白黒コントラスト比にアップデートしたほか、ディスプレイの輝度も前モデルに比べて最大25%向上し、Kindle Paperwhiteと同等の輝度まで進化しているとのこと。ディスプレイの明るさを調整するには、画面上部をタップもしくは下にスワイプします。
以下は、左がKindle(2024)、右がKindle Paperwhite(2024)です。どちらも「明るさ」の調整は24段階で同じですが、Kindle Paperwhiteのみ「色の暖かさ」という項目があります。
以下は、左が「色の暖かさ」を「0」にしたとき、右が「色の暖かさ」を最大の「24」にしたときの画面です。「色の暖かさ」を挙げるとオレンジっぽい色になるため、白い光が目に痛いと感じたときには調整するのがオススメです。
Kindleのディスプレイを見比べるため、マンガ「ご主人様にんにく臭いです!」を読んでみました。以下は左がKindle(2024)、右がKindle Paperwhite(2024)ですが、明るい環境ではあまり違いは見られません。
「明るさ」を最大にした上で部屋の電気を消してみたところ、以下のように左のKindle(2024)では少し青っぽく、右のKindle Paperwhite(2024)はよりトーンの低い白黒のようになりました。「ご主人様にんにく臭いです!」はフルカラーマンガのため、Kindle端末で読むと自動的にモノクロになりますが、Kindle(2024)の方が白黒のコントラストが明るい感じに出ているように感じました。また、従来のKindleは比較的ディスプレイの輝度が低かったため、明るい日差しの下や暗くなった環境では読みにくい時がありましたが、2024年モデルでは暗い環境でも十分に読むことができます。
次に、Kindle Paperwhiteは前モデルと比べてページめくりの速度が25%向上し、ライブラリや本のページをすばやくスクロールすることが可能になったとのことなので、実際に2021年モデルと比較してみました。以下は、左がKindle Paperwhite(2021)、右がKindle Paperwhite(2024)。どちらも明るさを最大、色の暖かさを「0」にした状態ですが、左の2021年モデルは白が強く、右の2024モデルはより紙の質感に近いような色に見えます。
部屋を暗くしてみると、ディスプレイの違いがよりわかりやすくなりました。
以下のムービーでは、左にKindle Paperwhite(2021)、右にKindle Paperwhite(2024)を並べた上で、ページ送りや画面設定の操作を同時に実行してみました。実際に比較してみたところ、2021年モデルの段階でページ送りはかなりアップデートされているため、2024年モデルの「25%向上」というのはあまり実感できませんでした。ただ、画面を下からスワイプすることで可能なページスキップの動作は、2024年モデルの方がはっきりとスムーズになっていることが感じられました。
Kindle Paperwhiteの2024年最新モデルの25%向上したページ送りを前モデルと比較してみた - YouTube
次に、Kindle PaperwhiteとKindle Paperwhiteシグニチャーエディションのディスプレイの違いを確認してみます。以下は、左がKindle Paperwhite(2024)、右がKindle Paperwhiteシグニチャーエディション(2024)の「メタリックジェード」です。同じ小説を開いた見た目は特に変わりません。
次に、マンガの「姫とゲーマー」を開いてみました。Kindle PaperwhiteとKindle Paperwhiteシグニチャーエディションとの違いはは容量や明るさ自動調整機能、ワイヤレス充電対応の有無であり、解像度やディスプレイサイズは同一ですが、今回開いたマンガではわずかに見た目のキレイさが異なっていました。
拡大してみると、左のKindle Paperwhiteでは1コマ目の背景や2コマ目の「じゃんっ」という文字とその後ろの模様などが淡い色になっていますが、右のKindle Paperwhiteシグニチャーエディションでは同じ部分がより鮮明になっていることがわかります。「姫とゲーマー」は元がフルカラーマンガのため、Kindle端末で開く場合に端末の細かい設定や仕様で見た目が変わる場合がありますが、「あらゆるマンガやイラストを少しでも鮮明に見たい」という場合は、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションを優先した方がよさそう。
また、以下の画像右のKindle Paperwhiteシグニチャーエディション(2024)のみにある機能が「明るさ自動調整」です。「明るさ自動調整」にチェックを入れると、環境の明るさに応じて画面の明るさが自動的に変化します。
「明るさ自動調整」がどのように機能するのかは、以下のムービーを見るとよくわかります。
Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションの「明るさ自動調整」を試してみた - YouTube
実際に比較しながら触ってみたところ、一番進化を感じたのはKindleでした。小説を読む分には最も小型で軽く、ページ送りなどの動作も改善されているため、過去に「Kindle触ってみたものの動作が悪くてやめた」という人にも改めてオススメできます。同様にKindle Paperwhiteもタッチ操作が若干向上した感じはありますが、前モデルから劇的に変わったというほどではないため、「新しくKindle端末がほしいけどマンガなども読みたいからKindleだと小さい」という人や、「2021年より前の古いKindle Paperwhiteを使っていた」という人には、買い替えるのをオススメできそう。ただ、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションの方がより画面が見やすく容量も大きいため、マンガを中心に読むという人はシグニチャーエディションにした方が快適さを味わえるはず。
一方で、不満点のひとつに「電源ボタン」があります。2024年の新Kindleシリーズは、前モデルから共通して電源ボタンが端末の下側にあるため、脚や机で端末を支えながら読むような場合にちょくちょく電源を押してしまう操作ミスが発生しやすくなっています。2017年に新型が出た上位モデルのKindle Oasisでは上下を反転して持つと画面が回転する機能がありますが、2024年の新Kindleシリーズのうち自動画面回転機能があるのは「Kindle Scribe」のみです。また、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションの特徴のひとつである「明るさ自動調整」は、明るい場所に移動すると自動で明るくなるのがありがたく感じた一方、電車に乗っていてちょっと暗くなると画面も暗くなって読みにくくなるなど、わずらわしい面もあったため、選択の決め手にはならなそうです。
2024年版のKindleは「ブラック」と「マッチャ」の2色展開で、価格はともに税込1万9980円。
Amazon.co.jp: New Kindle (2024年発売)、6インチディスプレイ電子書籍リーダー、16GBストレージ、ブラック、広告なし
2024年版のKindle Paperwhiteは税込2万7980円、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションは「メタリックブラック」「メタリックジェード」の2色ともに3万2980円です。
Amazon.co.jp: New Kindle Paperwhite (16GB) 7インチディスプレイ、色調調節ライト、12週間持続バッテリー、広告なし、ブラック
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