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「容量無限のHDD」実現の可能性も、新たな物理現象が発見される


10年ほど前は100GBに満たないモデルが主流だったHDDですが、今では3TBモデルを1万円を切る価格で購入できるようになるなど、大容量化、低価格化が進んでいます。

そして大容量化を実現した背景には、東北大学が開発した「垂直磁気記録方式」と呼ばれる記録方式が大きく影響しているわけですが、「容量無限のHDD」を実現するとされる、新たな物理現象が発見されました。

容量無限のハードディスクへ道 九工大など新現象発見  :日本経済新聞


Phys. Rev. Lett. 107, 017205 (2011): Tuning Magnetotransport through a Magnetic Kink Crystal in a Chiral Helimagnet


日本経済新聞社の報道およびアメリカ物理学会の専門誌「Physical Review Letters」に掲載された内容によると、九州工業大学の工学研究院で基礎科学研究系量子物理学部門を研究する岸根順一郎准教授が、ロシアのウラル州立大学との共同成果として、新しい物理現象を発見したそうです。

発見したのは、電子の回転でできる微小な磁石(スピン)が変化する現象で、外部から磁力を与えると電気抵抗が無限大になるというもの。


現在の記録媒体は「1」と「0」の2種類の信号(ビット)で情報を保存していますが、多重の信号で記憶できることから、記録容量が無限となる「無限ビット」の記録媒体を実現できる可能性があり、早期の実用化を目指すとされています。

なお、現在HDDのさらなる大容量化に向けてはメーカー各社が研究を進めており、「熱アシスト磁気記録方式」や「マイクロ波アシスト磁気記録方式」といった記録方式に注目が集まっていますが、今回の発見がもし実用化できるとすれば、フラッシュメモリへの置き換えが進みつつあるHDDが一躍スポットライトを浴びることになりそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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