BGMが非常に印象的でよくできている映画の予告編ムービーを集めてみた
映画の予告編を見ると「割と面白そうだな」と感じるときや、あるいは「ふむふむ、なかなか興味深い」と感じるときなど、受ける印象はいろいろなわけですが、場合によっては「おお、これは!」という感じで予告編自体が一個の作品として完成している場合も。あまりにも完成度が高いので、むしろ予告編を見ただけで本編を見なくても満足しそうな感じになってしまい、予告編としてはどうか?とも感じるのですが、そういうケースはほぼ例外なくBGMが印象的に使われています。
まずは2011年12月11日公開予定の「The Girl with the Dragon Tattoo」。原作の小説「ミレニアム」は「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」の3部作で全世界で2100万部を売り上げたベストセラー。2009年に既に映画化されているのですが、それを「セブン」「ファイトクラブ」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク」のデビッド・フィンチャー監督がリメイクすることに。
ストーリーとしては、月刊誌「ミレニアム」の発行責任者ミカエルは大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表するが、逆に名誉棄損で訴えられて有罪に。だがしかし大物実業家の有罪を確認しているミカエルはミレニアムを離れることに。そんなミカエルを背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットが密かに調査、彼女は大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルからの依頼で、ヘンリックの兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査をミカエルに頼むことに。ヘンリックは一族の誰かが殺したと考えており、もしその証拠を見つけることができれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すと約束、こうして40年前の全資料を綿密に調べ、ひとつひとつ事実を解き明かし、40年前の殺人事件の真相を突き止めていくが……となっています。
The Girl with the Dragon Tattoo HD Trailer - David Fincher Version - YouTube
上記予告編のBGMはレッド・ツェッペリンが1970年に発表した「移民の歌(Immigrant Song)」をトレント・レズナーとヤー・ヤー・ヤーズのカレン・Oがコラボレーションしたもので、非常にうまく編集してあり、すさまじい完成度です。
次は「Columbiana」、脚本を担当したのがリュック・ベッソンとなっており、幼い頃に両親を殺された主人公が殺し屋となって復讐を果たすというストーリーであるため、なんとなく「レオン」「ニキータ」のような雰囲気を感じさせます。
Colombiana - Trailer - YouTube
後半でかかるBGMがすさまじいのですが、これは映画の予告編音楽などを専門に作っている「Pfeifer Broz」の「Brain Batter」という楽曲からコーラスパートを抜いたバージョンで、元になっているのは以下のバージョンになります。
YouTube - PB Brain Batter - Pfeifer Broz. Music - Stockholm Vol. 1
こういう映画音楽で言うと、「料理の鉄人」のOPで有名になった楽曲の作曲者であるハンス・ジマーが良くも悪くも有名ですが、「ダークナイト」の監督である「クリストファー・ノーラン監督の「インセプション(Inception)」予告編のBGM、これが非常にハンス・ジマーっぽく、しかも映画自体のBGMはハンス・ジマーの名前がクレジットされているため、誰もがハンス・ジマーの作曲に違いないと思い込んだわけですが、これはなんとまったく別人による作曲で、しかも異様なほど印象的な旋律でした。
まずはこれが予告編。
YouTube - 'Inception' Trailer 2 HD
元の曲はコレです。
Zack Hemsey - "Mind Heist" - YouTube
ちなみにハンス・ジマーの場合の事例がこの名作「ダークナイト」の予告編、本編に負けず劣らず、リアルさと迫力を伴う雰囲気になっており、曲との合わせ方も巧妙です。もうめちゃくちゃに「映画の予告編はこうだろ!」という感じで王道の出来映えと使い方で、BGMを大きくしたり小さくしたり、シーンに合わせて静かにしたり、音響的演出も凝っており、メインテーマを効果的に使って組み合わせています。
Batman - The Dark Knight Trailer (# 2) HD - YouTube
BGMがすごかったと言えば、「トロン:レガシー」。本編のストーリーは見た人のほぼ全員が「?」なのですが、異口同音に「でもBGMはすごかった」と言うレベル。音楽を担当したのはダフト・パンクで、非常に印象的な曲が多いのですが、中でも下記予告編の後半はかなりインパクト大。いかにも異世界に来たという雰囲気を感じさせ、曲自体との映像の合わせ方も秀逸です。
YouTube - TRON: LEGACY Official Trailer
元になった曲はダフト・パンクの「The game has changed」、かなり壮大なイメージの曲です。
YouTube - Tron Legacy - Soundtrack - The game has changed
「LOST」「クローバーフィールド/HAKAISHA」などで有名なJ・J・エイブラムスが監督した「スタートレック(2009年の第11作目)」の予告編もかなりBGMの使い方が上手です。
YouTube - Star Trek 11 Trailer - The NEW one (March) and in FULL HDTV!!
これは映画の予告編を専門に作っている「Two Steps From Hell」の「Freedom Fighters」という曲をそのまま使っています。
YouTube - Two Steps From Hell - Freedom Fighters
BGMの歌がすごいといえば、日本では3.11があったためにいまだ未公開(日本では2011年9月17日公開予定)の「Battle: Los Angeles(世界侵略:ロサンゼルス決戦)」も極めて絶望的な雰囲気が出ています。
YouTube - Battle: Los Angeles Trailer
元の曲はコレで、このPV自体も割とすごい。
YouTube - Johann Johannsson - Sun's Gone Dim
BGMがすごいと言うよりは、効果音との組み合わせが非常に印象的なのが、「ブラック・スワン」でさらに有名になったダーレン・アロノフスキー監督の「The Fountain」の予告編。短いながらもすっきりとしており、わずか41秒なのにインパクト大です。
YouTube - The Fountain Teaser HD
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