白パンの時代は終わりを迎えつつあり、黒パンの売り上げが増加していることが明らかに

by Spamily

欧米の主食であるパンは長らく精製した小麦を使ったいわゆる「白パン」が主流でしたが、2010年のパンの売り上げを見たところ、ライ麦などを使った「黒パン」の売り上げが増加する一方で、白パンの人気がだんだん低下してきていることが分かりました。

日本でも数年前から雑穀米や玄米を健康のために食べる動きがありますが、欧米でも主食に健康志向が如実に反映されているようです。


白パンから黒パンへ、消費者心理の変化は以下から。White bread falls from favour as shoppers prefer brown - Telegraph

イギリス最大手のスーパー「Tesco」によると、これまでは人口増加に伴って、精製した小麦を使用して作ったいわゆる白パンが売り上げを伸ばしてきたものの、2010年に関しては、黒パンがその売り上げを追い抜くという状況が起こっているということです。

2010年の主要な小売店における白パンの売り上げは、前年度に比べて1パーセント減少。その一方で、黒パンの売り上げは6パーセント、種入りのパンの売り上げは9パーセント増加していたと、調査会社のKantar Worldpanelが明らかにしています。この結果には、専門家たちが白パンよりも黒パンの方が健康によいと勧めたことも手伝って、消費者が健康にいい製品を好んで選ぶようになったことが如実に表われています。

具体的な数字で言うと、パン全体の市場規模は年間10億ポンド(約1381億円)で、そのうち黒パンの売り上げは4億2300万ポンド(約553億円)、種入りのパンについては1億100万ポンド(約139億円)となるそうです。黒パンと種入りパンの売り上げを引いた分が白パンの売り上げと仮定すると、まだ白パンのシェアのが多いため、黒パンが完全に形勢逆転するにはまだ時間がかかりそうです。


18~19世紀においては、黒パンは白パンよりも低級な物で、白パンを買って食べる余裕のない貧しい家庭が食べる物という認識がありました。アニメ「アルプスの少女ハイジ」の劇中で、固い黒パンを食べるのに苦労しているペーターのおばあさんにあげようと、ハイジが奉公先のゼーゼマン家で出されるやわらかい白パンをこっそりためこんでいたエピソードを覚えている人もいるかもしれませんが、要するに白パンの方が上等だと思われていたわけです。

Tescoでパンの買い付けをしているAlex Sillarsさんも、「消費者は主食に対して、健康的な付加価値を求める動きが近年特に高まっています」とコメントしていて、「昔よりもパンの種類も増え、白パンと黒パンの中間ともいえる商品もあることから、だんだん黒パンに主食を移行するといったことも簡単になっていることが背景にあります」とも付け加えています。

昔は白米が上等な物とされていたものの、近年は雑穀米や玄米が健康食としてもてはやされるようになった日本と似ている状況が見て取れ、東西問わず、食に対する価値観が昔とはかなり変わってきているというのは、なかなか興味深いことなのではないでしょうか。

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