通常の6倍のサイズのウサギの化石を発見、ジャンプはせずゆっくり移動か
スペインのメノルカ島で、通常の6倍ものサイズがあると考えられる巨大なウサギの化石が発見されました。
これにより、メノルカ島では約500万年前、現代のウサギとは大きく異なる形状の巨大なウサギが存在していたことが分かったそうです。彼らはウサギの一種ではありますが、後ろ足が短く、背骨も硬いため、ジャンプをすることはできず、ゆっくりと動いていたと見られるとのこと。
巨大ウサギについての詳細は以下から。Night of the Nuralagus rex | Wired Science | Wired.com
Giant Ancestor to the Easter Bunny Had Small Ears and No Hop - Animal News: Animal Planet
500万年前のメノルカ島には巨大なウサギが存在していたことが、新たな化石の発見によって分かったそうです。その体重は26ポンド(約11.8kg)ほどで、現在のウサギの約6倍の大きな体と、短い耳、小さな目を持ち、飛び跳ねなかったとのこと。
プロジェクトのリーダーであるカタロニア古生物学研究所のJosep Quintana氏は「彼らは非常に静かで、ゆっくりと力強く動いていたと考えられる」と語っています。
新たに発見されたウサギは「Nuralagus rex」と呼ばれ、天敵を持たない平和な生き物だったと考えられているとのこと。彼らは現代のウサギに見られるような長くてしなやかな脊椎を持たず、その背骨は短くて硬く、飛び跳ねることはできなかったと見られるそうです。
これは現代のウサギ。耳が長く、大きな目を持っています。
アメリカのカリフォルニア州ポモナにあるウェスタン健康科学大学で解剖学の助教授を務めるBrian Kraatz氏は「ウサギは約40万年前に出現し、幸福なことに現在に至るまで同じように生存しているという基本的な仮定があります」と語り、「(そういった意味では)この新しく発見されたウサギは、現在生きているウサギや化石として発見されたものも含め、我々が知っているどんなウサギとも異なっており、非常に興味深い。その大きな体に比べて、後ろ足の長さはかなり不足していて、ジャンプするには向かない形だ」と述べています。
Nuralagus rexの骨格のイメージ。全体のサイズがまったく違うので単純に現代のウサギと比較することはできませんが、体の大きさに比べて後ろ足が短いのが分かります。
この巨大なウサギたちにとっては不運なことに、気候変動によって気温が下がったことで、快適なものだった島の環境は台無しになり、結果として絶滅に至ったと考えられるそうです。
Quintana氏は、この「ウサギの王様」がメノルカ島のマスコットになってくれることを期待しているとのこと。
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