「地下鉄のトンネルで携帯電話を利用可能に」、携帯電話メーカーが無料で整備を打診と報道
毎日の通勤・通学に地下鉄を利用している人の中には、ホームでは通信できるものの、トンネルに入る度に「圏外」となり、メールの送受信やコンテンツのダウンロードなどが強制的に切断されてしまうことに不満を感じることがあるかと思われますが、携帯電話メーカーが地下鉄のトンネル内でも携帯電話を利用できるように基地局を自社負担での整備を打診したことが報じられました。
残念ながら日本の話ではありませんが、日本でも東京や大阪の地下鉄で実現する動きが見え始めているだけに、非常に気になる内容となっています。
詳細は以下から。
China's Huawei 'in London Underground phones bid' - Yahoo! News
Huawei to Give London Subway a Mobile Network, Sunday Times Says - Bloomberg
これらの記事によると、2012年にイギリスで開催されるオリンピックに向けて、中国の携帯電話メーカー「Huawei」がロンドン地下鉄のトンネル内で携帯電話を利用できるようにネットワークを整備することを打診したことをSunday Times紙が報じたそうです。
Sunday Times紙は情報源を明らかにしていませんが、Huaweiが行ったとされる打診は地下鉄のトンネルの天井に沿う形で携帯電話の基地局を整備するというもので、旅行者が地下鉄の中でも連絡を取ることが可能になるとのこと。整備には5000万ポンド(約67億円)かかるとみられていますが、Huaweiはそのコストを自社で負担し、メンテナンス費用を携帯電話会社から回収するとされています。
なお、この件に関してロンドンの輸送機関に責任を持つ公的機関「Transport for London」は地下鉄に携帯電話の基地局を整備する取り組みを始めているとしたものの、Huaweiが関与しているかどうかについては認めていません。
また、イギリス保守党のPatrick Mercer議員はこの件について、中国がイギリスに対してサイバー攻撃を行っていることを挙げた上で、中国人民解放軍の幹部であったRen Zhengfei(任正非)氏が社長を務めるHuaweiがネットワークを提供することの危険性をSunday Times紙に対してコメントしています。
ちなみに今年に入ってから日本でも地下鉄のトンネル内で携帯電話を利用できるようにする動きが見え始めていますが、2007年の時点ではNTTドコモもKDDIもソフトバンクモバイルも軒並み非常に消極的な態度を示していたことを考えると、時代の移り変わりを感じざるを得ません。
・関連記事
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・モバイルの4社が九州新幹線のトンネルに基地局を設置 - GIGAZINE
KDDIが通信速度を現行の3倍に高速化へ、エリアや通信品質も大幅に向上 - GIGAZINE
イー・モバイル、東京・大阪・名古屋の地下鉄すべての駅をエリア化達成 - GIGAZINE
WiMAXの強みや将来像、エリアなどについてUQコミュニケーションズの社長に徹底インタビューしてみた - GIGAZINE
・関連コンテンツ