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NTTドコモが「Xi」よりもさらに高速な「LTE-Advanced」の実証実験へ、「第四世代携帯電話(4G)」の通信規格


NTTドコモが昨年12月から開始した高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」は現在の3Gを拡張した「LTE(Long Term Evolution)」と呼ばれる通信規格を用いたものですが、より高度化することでさらなる高速性を実現する「LTE-Advanced」と呼ばれる通信規格の実証実験を行うことが発表されました。

ちなみに「LTE-Advanced」は一般的な家庭の光ファイバーを大きく上回る、下り最大330Mbpsの超通信速度を実現する「WiMAX 2」と同じく、「第四世代携帯電話(4G)」の通信規格となっています。

詳細は以下から。
報道発表資料 : 第4世代移動通信方式LTE-Advancedの実験用予備免許を取得 | お知らせ | NTTドコモ

NTTドコモのプレスリリースによると、同社は2011年1月27日に関東総合通信局から神奈川県横須賀市および相模原市において、第4世代移動通信方式「LTE-Advanced」の実験用無線局の予備免許を取得したそうです。今後、実験試験局免許の付与を受け次第、同地区での実証実験を開始するとのこと。


「LTE-Advanced」は「LTE」のと互換性を維持したまま、さらに高度化した通信方式で、2010年に開発された実証実験システムを用いた有線接続による模擬環境下での室内信号伝送実験では、下り約1Gbps、上り約200Mbpsの信号伝送に成功しています。

そして今回行われる実証実験では、実証実験システムを用いて、ドコモR&Dセンター内やその周辺(横須賀市内)と相模原市の市街地において、実際の使用環境下での無線伝送実験を行うというもの。

「LTE-Advanced」の主要技術の1つで、LTEとの互換性を保ちつつ、柔軟に広帯域化できるよう、コンポーネント・キャリアと呼ばれるLTE用の周波数ブロック(チャネル帯域幅:上下リンク共に最大20MHz)を束ねて広帯域化を図る「周波数広帯域化(キャリア・アグリゲーション)」。実証実験では下りが5つを束ねて最大100MHz、上りは2つを束ねて最大40MHzの広帯域化が行われます。


2つの送信アンテナと2つの受信アンテナを用いて信号の伝送を行う「MIMO技術」に周波数広帯域化と組み合わせて、上りリンクにおいて約200Mbpsの伝送速度を目指す実験。


基地局に4つの送信アンテナ、各移動局に2つの受信アンテナを用いて信号の伝送を行うMIMO技術と周波数広帯域化を組み合わせ、下りリンクで約1Gbpsの伝送速度を目指す実験。


設置場所の異なる複数のRRE(電波の変復調やアンテナから電波を送受信する機能などを持つ無線装置)を同一の基地局が集中制御することで、複数のセルが連携してセル間の電波干渉を抑制し、基地局から離れた移動局の伝送速度を向上させる技術。実験では2つのRREを用いた信号の伝送が行われます。


実験用基地局および移動局はこんな感じ。なお、屋外の実証実験では移動局が車両に搭載されるとのこと。


サービス展開で先行するWiMAXは2012年にも「WiMAX 2」の商用サービスを開始する予定ですが、昨年末にようやくサービス開始されたLTEから「LTE-Advanced」へと移行できるようになる日が来るのはいつになるのでしょうか。いずれも一般家庭の光ファイバー(100Mbps)を圧倒する通信速度を実現する規格であるだけに、今後に期待したいところです。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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