連続強盗犯を形見のステッキでやっつけた84歳のおばあちゃん

深夜の自宅に忍び込んでいた屈強な強盗に、84歳のおばあちゃんが父の形見のステッキ一本で立ち向かって見事撃退、犯人は無事逮捕されました。

おばあちゃんと同居していた娘さんのヘッドロックが見事犯人に決まり、そこに追い打ちのようにおばあちゃんのステッキ攻撃が加わってひるんだ犯人は、逃走中にガラスの扉に激突して自滅してしまったとのこと。

まるでドラマか何かのエピソードのようですが、おばあちゃんは今回の犯人や強盗予備軍に対して「年金をもらっている高齢者はアンタたちのカモじゃないのよ」と強気のメッセージを送っています。

強盗がおばあちゃん宅に忍び込んでお縄につくまでの一部始終は以下から。Pensioner, 84, fought off burglar with heirloom walking stick | Mail Online

Doris Thieleさん（84歳）は、事件が起こった日の午前3時に偶然目をさまし、2階の部屋の明かりが1つだけついていたのを不審に思ってのぞいてみたところ、客用のベッドルームを物色する強盗を発見しました。

彼女は身を隠していようとしましたが、強盗が自分の方へ向かってきたので思わず叫び声をあげたところ、娘のHelenさん（59歳）が部屋からかけつけて、強盗の首に腕をかけてヘッドロックをお見舞いしました。

強盗は「家を間違ったんだ、離してくれ！」と叫んだのですが、Dorisさんは父親の形見の杖をつかみ、強盗の頭や首、肩を殴りました。強盗は身長190センチの屈強な男でしたが、Dorisさんは果敢にも殴りかかっていきました。ちなみに、間違って殺してしまうといけないので、そばにあった花瓶で頭部を殴打することは避けておいたということなので、強盗は命拾いしたと考えてもいいかもしれません。

強盗に出くわした時の状況を再現してみせるDorisさん。

強盗はどうにかして逃げようと自暴自棄になって、つかまった2階の部屋から外にある温室にまで逃げた揚げ句、ガラス戸に突進して頭にケガを負いました。警察は通報から数分後に到着し、地面に落ちていた血痕をたどった先にいたLeon Ingram容疑者（34歳）を逮捕しました。

サザンプトン刑事裁判所に出頭したIngram容疑者は強盗の罪を認めました。32項目にも及ぶ前科を持っていた上にヘロイン常習者でもあった容疑者は、Dorisさん宅以外に4件の強盗におよび、また万引きも4度行っていた罪を考慮して、3年間の懲役が言い渡されました。勇猛果敢な婦人たちとの戦いについて、容疑者は「あの人たちは自分の身の安全をまったく顧みていなかった」と振り返っています。

Leon Ingram容疑者。顔にはちらほら傷跡が残っているように見えます。

後日、Dorisさんは「これで、強盗をやろうなんて考えている不届き者たちに『年金をもらっている高齢者はアンタたちのカモじゃない』ということが伝わったらいいわね」とコメントしました。

Dorisさんは娘のHelenさんがわずか5歳の時に夫に先立たれて以来、1人で暮らしを守ってきました。「人の家に忍び込んで、勝手に戸棚を物色するような麻薬常習者にお金を差し出すために働いてきたんじゃないわ。あの犯人の行為はとても無礼で、侮辱されたと思っています」と、Ingram容疑者の犯行に腹を立てています。

容疑者の弁護士によると、イングラム容疑者はDorisさんに謝罪状を送ったそうです。また、少しでも犯した罪をつぐなうために、警察を質屋に案内するなどしてこれまでに盗んできた物品を取り戻すのに最善を尽くしたということです。侵入者に立ち向かい、連続強盗犯の犯行を終わらせたことに対して、DorisさんとHelenさんには警察から表彰状が贈られました。

2人がかりとはいえ、若くて体格のいい男性相手に戦いを挑んだご婦人たちの勇気には感服するしかありませんが、連続強盗犯がこのような形でお縄につくというのは、まるでドラマのようです。