いつでもどこでもネットに接続、広大なエリアを武器に「モバイルWi-Fiルーター」に注力するNTTドコモの「日本Wi-Fi化計画」とは?
ノートパソコンだけでなく、人気のスマートフォンやiPadなどのタブレット端末、iPod touchなどの音楽プレーヤー、携帯ゲーム機など、今やほとんどのモバイル機器に搭載されている無線LANですが、無線LANアクセスポイントが無いとインターネットに接続できないのが難点。「いつでもどこでも」というわけにはいかなくなるため、もどかしい気持ちになるユーザーも多いのではないでしょうか。
そんな問題を解決すべく、各社からモバイル無線LANルーターがリリースされる中、国内シェア最大手の携帯電話会社、NTTドコモも本腰を入れて注力しています。他社とは一線を画した広大なエリアやハイスピードエリアの多さを武器に、積極的に「日本Wi-Fi化計画」を進めている同社ですが、はたしてどのような計画なのでしょうか。
計画で実際に使用されるNTTドコモのモバイルWi-Fiルータ「BF-01B」のレビューなどを交えつつお届けします。
◆これがモバイルWi-Fiルーター「BF-01B」だ
5月18日に行われたNTTドコモ2010年夏モデル発表会で、iPadなどのタブレット端末をNTTドコモの回線で利用できるとして電撃発表されたモバイルWi-Fiルーター「DWR-PG」のNTTドコモ版が「BF-01B」です。NTTドコモが提供している下り最大7.2MbpsのHSDPAおよび上り最大5.7MbpsのHSUPAサービスおよび公衆無線LANサービスの自動切り替えにも対応しており、待受時最大30時間、最大連続6時間駆動を実現。
これが本体です。本体の大きさは幅95.0mm、高さ64.4mm、厚さ17.4mm、重さ105.0グラムと非常にコンパクト。利用時はカバンのポケットに入れておくだけで良いため、持ち運びは非常に楽です。
本体上部には電源ボタンとインターネット接続設定を簡単に行える「AOSS」ボタン
底部にはクレードル接続用端子とUSB miniBポートを搭載。
背面はいたってシンプル。
カバーを開けたところ。無線LAN機器の設定に必要なSSIDなどが記載されているほか、SIMカードスロットやmicroSDカードスロットがあり、パソコンとUSB接続した時などにカードリーダーとしても利用できるようになっています。
クレードル
背面はこんな感じ。電源ケーブルを接続するためのUSB miniBポートとLANポート、LANおよびインターネット切り替えスイッチがあります。
「BF-01B」をクレードルに載せたところ
光ファイバーやADSLといった家庭のインターネット回線をLANケーブルで接続し、無線LAN機器で利用することも可能。「自宅では固定回線、出先ではNTTドコモのモバイル回線や公衆無線LANサービスを無線LAN機器で利用」といった使い方を1台で実現するモデルです。
ACアダプタ
パソコンと接続するためのUSBケーブル
パソコンと接続したところ。USBポートを2つ利用することで本体を充電しながらの利用が可能です。
◆モバイルWi-Fiルーター「BF-01B」を実際に使ってみた
実際にパナソニックの「Let'snote」とAppleの「iPad」で「BF-01B」を使ってみました。
まずは「Let'snote」でインターネット接続してGIGAZINEを閲覧してみたところ。閲覧にあたってはブラウザのキャッシュデータを消してあるため、すべてのデータを読み込むことになるわけですが、サクサクと読み込めています。
YouTube - NTTドコモのモバイルWi-Fiルーター「BF-01B」とパソコンでブラウジング
YouTubeの視聴ももちろん可能です。
YouTube - NTTドコモの「BF-01B」とパソコンでYouTubeを視聴
続いては「iPad」でNTTドコモの公式ページにアクセス。
YouTube - 「BF-01B」を使ってNTTドコモの回線でiPadを使ってみた
YouTubeを視聴しているところ。処理能力の関係もあるため「Let'snote」ほどとはいきませんが、動画を十分閲覧できています。
YouTube - NTTドコモの「BF-01B」とiPadでYouTubeを視聴してみた
◆「ドコモならでは」の強みが生きるモバイルWi-Fiルーター
ここまでは他社のモバイルWi-Fiルーターでも可能なことばかりですが、NTTドコモの場合、他社に対しての大きなアドバンテージとして都市部だけでなく、出張や帰省、旅行などで地方に行った時でも快適に利用できる「エリアの広さ」が挙げられます。
NTTドコモのエリア情報ページ。「つながることに、こだわるドコモ。」を合言葉に、ユーザーの声を取り入れた徹底的なエリアの拡充だけでなく、駅やショッピング施設、飲食店、地下街、レジャー施設、宿泊施設といった要望の多い場所での通信品質の向上にも取り組んでいます。
サービスエリア | お客様サポート | NTTドコモ
下り最大7.2Mbpsの「HSDPA」を利用できる「FOMAハイスピードエリア」は2008年12月26日に人口カバー率100%を実現しており、東京23区内主要駅周辺などをはじめとした一部のスポットでは上り最大5.7Mbpsの「HSUPA」に対応するなど、エリアだけでなく通信速度にもこだわりを見せています。
FOMAハイスピード | サービス・機能 | NTTドコモ
また、電波が通じにくいエリアがある場合、公式ページからユーザーの声を直接届けることも可能で、希望者には改善予定や電波状況の回答だけでなく、自宅などへ原則48時間以内の訪問調査が行われています。
聞かせて!FOMAの電波状況 | お客様サポート | NTTドコモ
◆気になる利用料金は?
エリアが広く、日本全国で使えることが強みであるとはいえ、やはり気になるのが利用料金。「モバイルWi-Fiルーター」利用の場合、基本的に「定額データプラン」での契約となりますが、2010年12月31日(金)までに「定額データプラン スタンダード(バリュープラン含む)」を新規契約し、同時に「定額データ スタンダード割」または「ハーティ割引」に加入すると、12ヶ月間にわたって利用料金が月額最大4410円になる割引キャンペーンが実施されています。
キャンペーン料金適用時の料金イメージ。従来は月額5985円(「定額データ スタンダード割」申込時)だったのが、4410円にまで値下がり。仮に2年利用したとしても、ランニングコストは24ヶ月平均で月額約5198円となります。
そして2010年12月31日(金)までにFOMA回線対応のプロバイダ「mopera U」を契約したユーザーを対象に、最大54Mbpsの公衆無線LANサービスが利用できるオプションプランU「公衆無線LAN」の利用が1年間無料になるキャンペーンも実施中です。
「公衆無線LAN」新規お申込み無料キャンペーン | mopera U | NTTドコモ
◆「日本Wi-Fi化計画」を進めるNTTドコモ
モバイルWi-Fiルーター「BF-01B」と広大なエリア、そして高速通信サービスを組み合わせることで、日本全国どこでも無線LAN機器を使えるようになるわけですが、関係者によるとNTTドコモは12月3日から新たな社会実験として「日本Wi-Fi化計画」を本格始動させるそうです。
計画は東京を皮切りに進められる予定で、関係者の話によると「今までで他社が取り組んだことのない話題性のある試み」になるとのこと。「いつでもどこでも無線LANを利用できる」というと、2006年からGoogleがアメリカで実施している、街全体を巻き込んだ無料無線LANサービスを思い出しますが、国内最大手のNTTドコモがどのようなサプライズを繰り出してくるのかに期待が高まりそうです。
ドコモ for PC データ通信もドコモ品質で! | NTTドコモ
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