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ぽっちゃりウエストが命を救う?おなか周りの脂肪が心筋梗塞の特効薬となる可能性


おなか周りの脂肪は多くの人にとって憎むべき敵と言えるかもしれませんが、そんなぽっちゃりおなかの脂肪が、心筋梗塞の患者にとっては歓迎すべき特効薬となるかもしれません。

心筋梗塞患者を被験者として行われた研究の結果、ウエスト付近の脂肪から抽出した幹細胞を心筋梗塞の患者に投与したところ、病状が回復に向かったことが明らかになったということです。


研究の結果は以下から。'Spare tyre' could save lives: belly fat helped heart attack patients | Mail Online

心筋梗塞の患者の心臓にウエスト回りの脂肪組織に由来した幹細胞を投与したところ、その細胞が心臓の損傷レベルを下げ、血流が増加し、心臓のポンプ機能を改善したことが発見されました。

ごく最近心臓発作を起こした11人の男性と3人の女性たちは、「Apollo」と名付けられた試験的研究に参加しました。患者のうち10名には幹細胞を用いた治療が施されましたが、一方で残りの4人は偽薬を投与され、各グループの病状を比較する形で研究は進められました。

幹細胞を採取するための脂肪は、脂肪吸引(ウエスト回りを細くする美容法)で患者の腹部から250立方センチメートル以内の脂肪を取り除いて手に入れました。そのようにして入手した各サンプルから、研究者は2000万個もの成体幹細胞(1種類以上の組織になる可能性を備えた新生細胞)を分離、抽出し、患者の心臓へ10分ほどかけて投与しました。

by Phoney Nickle

6か月後、脂肪から抽出した成体幹細胞を与えられたグループは、心臓潅流(かんりゅう)(酸素を保持した血液を受け取る心臓の能力)が3.5パーセント向上しました。また、偽薬を投与されたグループと比較して、心臓の左心房から送り込まれる血液の量が5.7パーセント増加したことも分かりました。平均して、幹細胞治療を受けたグループの心筋の損傷の度合いは、31.6パーセントから15.4パーセントまで低下し、約半分の値となりました。一方、偽薬を投与されたグループの心筋の損傷レベルは投与前と同じでした。

これらの結果から、幹細胞は投与しても血流を妨げず、心拍に対して危険な変化を与えたりもしなかった、ということが分かりました。オランダ・アムステルダムにあるエラスムス大学医療センター研究主任のEric Duckers医師は、「この研究は、安全な方法で幹細胞を手に入れ、急性心筋梗塞にかかっている患者の心臓への投与が可能だということを示唆しています。」と語りました。

この調査結果は、シカゴで行われた米国心臓病協会の会議において発表されました。Duckers医師はすでに大規模な追跡調査である「Advance」というプロジェクトを始めており、ヨーロッパの施設から心筋梗塞の患者を375人ほど募集する予定だということです。

その内容は、左心房の駆出率(心臓が血液をくみ取る能力)が45パーセントを切っている心筋梗塞患者に焦点を当てたものとなるようです。40パーセントの患者には2000万個の幹細胞を投与し、同数の別グループにはやや多い3000万個の幹細胞を与えます。そして残りの20パーセントのグループには偽薬を投与して、比較実験を行う予定です。実験の結果、患者の心臓の状態がどのように変化したかについては、6か月後に検査が行われる予定となっています。

順調に研究が進んでいけば、普段忌み嫌われているおなか周りの脂肪が、心臓発作に悩まされる患者の特効薬となる日もくるかもしれません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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