犬に服を着せることなく愛犬とペアルック、犬の毛でセーターを編む人々

暖かそうなセーターやベスト、コートを身につけ、愛犬とポーズをとる人々。服の色合いが犬の毛並みと見事にマッチしていますが、それもそのはず、なんとこれらの衣服は犬の毛で紡がれた毛糸で編まれているとのこと。
冬の寒い日には帰宅するなり犬に抱きついて暖をとるという愛犬家も多いかもしれませんが、犬の毛で編んだセーターを身につければいつでも犬に抱きしめられているようで、気持ちまで温かくなれそうです。
詳細は以下から。以下の犬の毛で編んだセーターやコートを身につけた人々の写真は、写真家Erwan Fichou氏の作品「Dogwool」シリーズから。

毛糸の性質は犬の種類によって異なるのですが、総じてウールより暖かくアンゴラのような柔らかな手触りに仕上がるとのこと。

シェットランド・シープドッグのベストを身につけた女性。

こちらは秋田犬でしょうか。

バリカンなどで毛を刈る必要はなく、ブラシをかける際の抜け毛を集めてできるとのこと。

犬が2匹いると毛が集まるのも早そうです。

ダブル・コートの犬が毛糸を紡ぐのに適しているとのこと。

良い毛糸ができる犬種の一例としてコリーやニューファンドランド、ハスキー、マラミュート、グレート・ピレニーズ、クーヴァーズ、チャウチャウ、ゴールデン・レトリバー、サモエド、ベルジアン・シェパード・ドッグなどが挙げられています。

洗うことにより毛糸から細い繊維が広がり、モヘアのようなふわふわ感が出るとのこと。冬の散歩も楽しみになるのではないでしょうか。

犬の毛を紡ぐのは今に始まったことではなく、アリゾナ州で古代プエブロ人が1500年前に犬の毛で編んだ帯なども発見されているそうです。愛犬の毛を自分の手で紡いでマフラーやセーターを編んでみたいと思う人も多いのか、犬の毛の編み物のハウツー本「Knitting with Dog Hair」なども出版されています。

また、編み物は挑戦してみたことがあっても紡績はちょっとハードルが高い、という人のために、飼い主が集めて送った犬の毛で毛糸を紡ぐサービスを行う人々もいるようです。
イリノイ州在住のニット作家Betty Burian Kirkさんは、ブラッシングで採集した犬の毛なら1オンス(28.4グラム)あたり10ドル(約820円)、切り取った犬の毛の場合は1オンスあたり20ドル(約1640円)で毛糸を手紡ぎしています。

なお、ブラッシングで抜け落ちた毛の方が毛糸作りに向いていて、切り取った毛の場合は手触りが粗くチクチクする毛糸になってしまうため、ラグなどを編むことはできるものの、衣服にするならブラッシングで抜けた長く柔らかい毛が望ましいそうです。集める犬の毛の量の目安としては、帽子なら4オンス(約113グラム)マフラーなら8オンス(約227グラム)程度の犬の毛が必要とのこと。
Betty Burian Kirkさんによる、コリーとゴールデン・レトリーバーの毛で編まれたマフラー。

こちらはノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーの毛で編まれた帽子とマフラー。とても柔らかそうです。

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