「京都国際マンガミュージアム」に翼幅11メートルの「火の鳥」がお目見え、ミュージアムをぐるっと探検してきた
京都市中京区に「京都国際マンガミュージアム」という明治以降のマンガ資料を約30万点も収蔵したマンガの博物館があります。ここに、ミュージアムを代表するオブジェをということで、仏師の手による「火の鳥」の巨大彫刻が完成し、9月22日(火)に除幕式が行われました。像は翼幅が11m、高さが4.5mもある巨大なもので、「火の鳥」らしい鮮やかな色彩と細やかな造形が注目を集めていました。
詳細は以下から。
京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/
京都国際マンガミュージアムの所在地は京都市中京区烏丸通御池上ル(京都市中京区金吹町452)、京都市営地下鉄の烏丸御池駅から徒歩2分ぐらいの場所です。
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建物は学校のような外見ですが、これは統廃合により使われなくなった小学校がもとになっているから。
1階のホールになにやら大きな幕が準備されていました。この後ろに火の鳥が……!
まずは除幕式典が行われました。
京都市長など関係者が勢揃い。
まずは門川大作京都市長からの挨拶。
来賓挨拶の最後には京都精華大学マンガ学部長を務めている漫画家の竹宮惠子さんが登場。「火の鳥」が連載されていたころ、竹宮さんは「地球へ…」を連載しており、手塚さんと締切限界ギリギリの遅さを競っていたそうです。
こちらは、今回のオブジェを制作した仏師の須藤光昭さん。「火の鳥」は読んだことがなかったものの、これを機にと全巻読破し、大宇宙に羽ばたく火の鳥のイメージを広げていったそうです。
制作を手伝ったのは須藤さんの二人の息子さん。
そして4名のアシスタント。左の人からそれぞれ10年、8年、6年、3年の経験者だそうです。
式典後、除幕の準備が進められていきます。
紐を持ち、待機する人たち。
門川市長が先頭に立ちます。
さっと幕が落ち、火の鳥が姿を現しました。
須藤さんが「あまり作品の中では姿を見せなかったが、存在感が大きい」と語った通り、巨大ながらも決して威圧するような感じのしない不思議な像です。翼幅11m、高さは4.5m、重さは500kg。
素材は紅松。仏像制作と同じ「寄木造り」・「玉眼」の技法が用いられています。
漫画の中では、体の悪いところを撫でるだけで治癒させる力を持っていた羽も鮮やかに再現。
やはり下から見上げるより、2階の通路部分から見る方がキレイです。
オブジェは烏丸通りからも見えるのが売りですが、この日はブラインドのためあまりよく見えず。
建物前では仏師の須藤さんが取材陣に囲まれていました。
ちなみにミュージアムは少子化のため使われなくなった龍池小学校跡地に作られています。
そのため、建物自体もとても趣深い空気を漂わせています。
この日は親子連れで賑わっていましたが、かつては子どもたちが走り回っていたのでしょうか。
建物裏側は今でも学校として使われていそうな雰囲気をそのまま残していました。
小学校が建つよりはるか昔、平安時代以降は二条殿という貴族の邸宅があったそうです。
ミュージアムの入場料は大人500円、中高生300円、小学生100円。多くの漫画が自由に閲覧できるようになっているので、決して高い設定ではありません。
博物館らしく地下には収集資料研究展示スペースがあり、多くの資料が展示されています。
古い雑誌もこの通り。ただ、閲覧はできません。
研究閲覧室は事前予約制で、閉架式書庫に収蔵されている貴重な資料などを閲覧することができます。マンガ史などを研究する人にとってはとても助かる存在。
館内をぐるりと一周して「火の鳥」のところへ戻ってきましたが、まだまだ人がたくさん…。
ちなみに、10月1日(木)まで「美少女フィギュア原型師ボーメの世界」ということで、2階のメインギャラリーにてボーメ作品の展示が行われていました。
小学生以下は単独では入れない旨の注意書きがありましたが、そもそも子どもは入ってはいけないような代物がたくさん並んでいると思います。
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