「続きはWEBで」をすぐに検索可能、Yahoo!JAPANが新サービス「テレビ版Yahoo!JAPAN」を開始
大手ポータルサイト「Yahoo!JAPAN」が本日から新サービスとしてテレビ版「Yahoo!JAPAN」の提供を開始するという発表会を行いました。
テレビを見ていて気になるワードがあった時や、「続きはWEBで」というCMが流れた時にすぐさま検索できるといった「テレビならではの検索方法と楽しみ方」を追及したサービスとなっており、過去に発売されたテレビを含めた幅広いメーカーのテレビに対応したサービスとなっています。
詳細は以下の通り。
左からYahoo!JAPAN取締役社長 井上 雅博氏、プラットフォーム開発本部 EW 開発部 部長 坂東 浩之氏、フロントエンド開発本部 EW 開発部 住友 永史氏です。
井上氏によると、今回サービス提供が開始されたテレビ版「Yahoo!JAPAN」は、一日のうちパソコンに接している時間が限定的であり、テレビとの接触時間がパソコンとの接触時間の10倍にあたるため、インターネットへの接触を増やす必要があることや、今後テレビなどを活用したインターネット利用が増えていくことを見越したものだそうです。
これがテレビ版「Yahoo!JAPAN」のトップページ。シンプルなレイアウトで「天気」や「ニュース」といった人気のコンテンツに素早くアクセスできます。
なお、今後放送とWEBとの連携や、どのようにして楽しい番組を作っていけるのか、テレビ局とも相談・連携しつつ5年10年かけてサービスを増やしながら運営していくとしており、「続きはWEBで」「~~で検索」といったCMとの直接的な連動も視野に入れているとのこと。
リモコンのみで操作することが可能。
検索結果はこんな感じ。デジタルテレビ情報化研究会のネットTVガイドラインに準拠しているため、各社のテレビの表示仕様にあわせてトップページの画面サイズを最適化できるほか、過去に購入したテレビでもHTMLブラウザ搭載ネット対応テレビなら使用可能だそうです。
また、フィルタリングを施すことで子どもが危険なサイトにアクセスしてしまわないようにすることも可能なほか、検索ランキングで話題のキーワードをクリックすることで新しい何かが見つかる「たのしむ検索」に画像検索機能やスライドショー機能を4月下旬に順次リリースするとしています。
デモンストレーションの様子。画像検索はこんな感じになるようです。
サービスの開始にあたって寄せられたテレビメーカー各社のエンドースメントは以下。
・シャープ
AQUOSではすでに独自サービスとしてYahoo!JAPAN for AQUOSを昨年から提供してもらっているが、テレビ版Yahoo!JAPANは標準的なサービスへの対応として、AQUOS.jpサイト上でも直接利用できるように準備中。さらに多くの人へインターネットによるテレビの新しい楽しみ方が広がることを期待。
・ソニー
ブラビアは2007年以降アプリキャストやアクトビラといったネットワーク機能をあらゆる機種に搭載、テレビをネットにつないで楽しむスタイルを提案してきた。アプリキャスト向けにYahoo!から提供してもらっているYahoo!オークション、Yahoo!画像検索、Yahoo!トピックス、Yahoo!カレンダーはブラビアユーザーから高い評価を受けている。テレビ版Yahoo!JAPANにも期待している。
・東芝
レグザは高画質、録画機能、ネットワーク機能で高い評価を得ていたが、テレビ版Yahoo!JAPANの開始で当社の優位点であるネットワーク機能をより多くの人に利用してもらえると期待している。
・日立
ネットTV対応のWooo UT 770シリーズポータルサイトWooonetとテレビ版Yahoo!JAPANとの連携で、より快適なユーザエクスペリエンスを提供していけると期待している。
そして発表会場で行われた質疑応答は以下の通り。
・日本経済新聞
Q:動画の話がなかったが、アクトビラやGyaonextなど動画配信対応サービスは考えているのか
A:テレビと動画の話についてはテレビメーカーと実験的デモをやっていて、いずれテレビ版Yahoo!JAPANも動画に対応する予定。ただしリリース時期は発表できない。
Q:利用者数など数値目標は?
A:ネット対応テレビが過去の累積が1000万台、今年は全体の6割(600万台)ぐらい、今年度末には1600万台ぐらいサービスを受けられるポテンシャルのあるテレビが登場する。そのうちネットに接続するのは20%ぐらいという想定なので、利用者トータル300万ぐらいリーチすればと思う。
また、はじめは利用者もネットをテレビで見たことがない人ばかりだから助走期間は必要だと思う。今使っているテレビの多くはネットに接続できないが、2011年に向けてテレビの買い換えが起こりそうな気もするし、全体で1億台あるというテレビのその半分がネットを使ってもらえるように、テレビでネットを使うと便利でこんなにも楽しいと言えるように、使いたくなるサービスの提供を通じて300万と言っていた数字が3000万、5000万になるように頑張りたい。
Q:無料サービスとのことなので広告収入になると思うが、収益確保はいつごろを目指しているのか?
A:当面は広告メインになるが、視聴者のいないサービスに広告は出ないので、最初の数年間は投資時期と考えている。多くの視聴者に見てもらえるようになれば、自然と広告媒体としての価値が出てくると思う。いずれにせよ、目先2~3年は大きな収益は期待してない。利用が広がっていくことを第一に考えている。
・日経ビジネス
Q:アメリカではYahoo!とインテルが組んで何かやってるが、日米でなぜ違うサービスを?
A:Yahoo!は装置メーカーではないので、なるべく普及している装置で見られるというのが一番。インテルとYahoo!がやっているのは手前の技術の部分で、これをテレビメーカーに働きかけていくというところ。
日本のテレビメーカーは進んでいて、すでにネット接続する技術がある。Yahoo!JAPANは今回それを使って何かやろうよ、という話。アメリカの話も聞いていて、そういう機能がすべてのテレビに実装されればいいなと思うが、それはまた先の話。
アメリカでやっているビジネスは映像画面と同居できるというもの。今回はブラウザで全面を覆ってしまうサービス。二者択一ではなく、今後は多くのバリエーションが出てくるのではないかとは思う。
・日経BPパソコン
Q:Yahoo!オークションのような課金できるサービスが出てくるのは先なのか、それともニーズがあればすぐになのか?
A:順番にやっていこうと思う。オークションやショッピングのようなe-コマースサービスは家族で使ったりするというのが想定できるので、前向きに考えている。
Q:アカウンティングのサービスはやっていく?
A:やっていく。
Q:APIをどこか特定のところが使って開発というのを想定しているのか?そうではない?
A:あんしんねっとの話だと思うが、実はそんなに想定できていない。フィルタリング機能は必須で、一方、テレビの方にも視聴年齢制限の機能がついている。Yahoo!のあんしんねっとでもいいが、テレビ側の機能とうまく連動してやれればいいよねというのがあれば、APIを出すから使ってくれと言うのができると考えている。
・日経エレクトロニクス
Q:エンドースメントでもあったが、シャープやソニーとは彼らのテレビにしかないサービスをやっているが(アプリキャストとか)と今回のサービスとの棲み分けは?
A:テレビのインターネットについてはまだすべてが標準化されていない段階だと思う。メーカーとしては2つのことをバランスよくやっているところ。
1.標準化を通じて1つのものをどこでも見られるようにすること
2.こういう機能を入れるとどう便利につかってもらえるのかという差別化
Yahoo!も今の段階で標準化するのは速いと思っている。今回のテレビ版は1の標準化に近いもの。AQUOSやアプリキャストは2に近い。たぶん両方引き続きやっていくことになる。位置づけの違い。
Q:ということはアプリキャストなど向けの方が先鋭的なサービスをやる可能性が高い?
A:高い
・産経新聞
Q:Yahoo!のサービスはPCでは140ぐらいあるが、テレビにはどれぐらい入るのか?
A:数えるのは難しくて、ケータイ専用サービスがあったり、でもフルブラウザがあればPC版のサイトが見えたりする。テレビ専用に作り直したものというのは数が増えるのに時間がかかると思うが、足りない分はPC版サービスをテレビでも見るという形で対応する。検索結果も、現在ケータイとPCがわかれているように、いずれはPC版とテレビ版の結果がわかれるかもしれない。いつとはうちも決めていないが、前向きに考えている。
Q:中期的に1ヶ月あたり119時間のテレビ視聴時間をどれぐらいネットにもっていければ満足か?
A:際限がないので、増えれば増えるだけいいと思っているが、月に100時間ぐらいはあってもいいんじゃないかと思っている。
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