レイプの被害者なのに投獄されるアフガニスタンの女性たち
以前、51才の男性にレイプされた16才の少女が死刑になったというニュースがありましたが、イスラム法のもとでは同じようにレイプの被害者である女性が投獄されるケースは決して少なくなく、イギリスのThe Independent紙が報じたところでは、アフガニスタンのある刑務所に入っている女性のうち2/3がレイプの被害者だそうです。
詳細は以下から。
The Afghan women jailed for being victims of rape - Asia, World - The Independent
アフガニスタン南西部ヘルマンド州の州都ラシュカルガー(Lashkar Gah)の刑務所に収容されている女性のうち2/3はレイプの被害者で、彼女たちは懲役20年の刑に服しています。
Salihaという照れ屋の15歳の少女は、夫が暴力を振るってきたために近所の少年と駆け落ちして愛し合いました。その結果、家族や村からの追放処分を受け、家から逃げたということで最高刑の懲役10年、違法な性行為を行ったということで懲役20年の刑を受けました。
25歳のZirdanaさんは7歳のときに支払い金の一部としてのちに夫となる男性に引き渡されました。11歳で第1子を出産し、姿を消したとき第4子を妊娠していました。Zirdanaさんは夫殺害の容疑で有罪となり、年長の3人の子どもは義理の兄弟が連れて行き、当時2ヶ月だった赤ん坊はZirdanaさんと一緒にいることになりました。
現在55歳のDorkhaniさんは、Nowzad地方で比較的裕福な結婚生活を40年間送っていましたが、家庭内でもめごとがあってラシュカルガーに逃れてきました。夫はお金を取り戻そうとNowzadに戻ったところで消息不明となり、100%無実だというDorkhaniさんが夫を殺害したとして有罪になりました。
2008年初頭に出された報告書によると、アフガニスタンでは女性や7歳以上の少女に対しての暴力、特にDV(ドメスティックバイオレンス)が蔓延しており、87%以上の女性はこれに対する不満を訴えており、暴力の半数は性的虐待となっています。また、60%以上の結婚式は強制によるもので、慣習を法で禁じているにもかかわらず、16歳未満の花嫁が57%を占めています。少女たちの多くは犯罪の賠償用として、あるいは借金返済のために差し出されています。このためか、アフガニスタンは女性の自殺率が男性の自殺率を上回る世界唯一の国となっています(注:The Independent紙による。WHO調査によれば中国も女性の自殺率が男性よりも高い)
先週、ヘルマンド州で20人の有力女性から構成されたシューラ(shura:協議の場)が誕生し、州の女性の基本的権利を保証することで制度の不平等に取り組んでいくそうなので、今後も延々と虐待を我慢する必要はなくなるのかもしれません。
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