メモ

Windowsの技術情報などを非商用目的のオープンソース開発者に無料で公開


先ほど「マイクロソフトが主要製品の技術情報を原則無償公開、互換ソフトの開発が自由に」というニュースが出てきましたが、その続報です。

マイクロソフトが発表したところによると、契約した顧客にだけWindowsソースコード閲覧を許す「Windows シェアード ソース ライセンシング プログラム」とはまた別に、ライセンス購入の必要が無く、アクセスするためにロイヤリティを払う必要もない、真の無料で訴訟のリスクが無く利用できるシステムとでも言うべき相互運用性の原則と施策を非商用目的に限って導入するとのこと。

第一弾としてはWindows Serverと通信するための各種プロトコルなどを公開するとしており、順次、Windows Vista、.NET Framework、Windows Server 2008、SQL Server 2008、Office 2007、Exchange Server 2007、Office SharePoint Server 2007などに拡大していくとしています。

要するに、広く使われている企業向け製品の全API(application programming interfaces)とコミュニケーションプロトコルを記述した技術文書を、マイクロソフトのサイト上で公開する、ということです。

さらなる詳細は以下から。
asahi.com:ウィンドウズの「設計図」公開へ マイクロソフト - ビジネス

ウィンドウズ設計情報公開

Microsoft pledges not to sue over open source | Beyond Binary - A blog by Ina Fried - CNET News.com

マイクロソフト自身のプレスリリースは以下に。

Microsoft Makes Strategic Changes in Technology and Business Practices to Expand Interoperability: New interoperability principles and actions will increase openness of key products.

マイクロソフト、相互運用性の強化に向けたテクノロジ プラクティスとビジネス プラクティスの変更を発表

ドキュメントやAPIなどについては、時期は不明ですが、数ヶ月以内にマイクロソフトのウェブサイト上にて提供されるとのこと。

また、本日からMSDN上にて3万ページにわたるWindows Client製品とWindows Server製品のプロトコルを記述した技術文書を公開しており、これは今までMicrosoft Work Group Server Protocol Program (WSPP)やMicrosoft Communication Protocol Program (MCPP)を通じて営業秘密の使用に関するライセンス供与を受けていないとアクセスできなかったものとなっており、マイクロソフトの特許が一体どのプロトコルに適用されているのかという特許リスト及び特許出願リストも公開するとしています。特許に対するロイヤリティはかなり低価格になる見込み。

また、オープンソースの開発者が、これらのプロトコルの実装を開発、あるいは非商用目的で配布する限りにおいては、その行為に対して訴訟を起こさないという約款を定める方針。つまり、オープンソースにおける非商用の開発においては、無償でこれらの技術文書を使用することができるというわけ。

なお、今までもEUからの要求に応じてソースコードの開示などを行ったことはありますが、その際には実質的に無意味な場合が多かったわけです。

誰も得をしない「Windowsソース・コード開示ライセンス」:ITpro

この問題は極めて難しいので,どこから始めればよいか分かりにくい。Neelie Kroes氏からにしよう。彼女は,Windowsソース・コードの一部を競合他社に開示するというMicrosoftの提案に対し,以下のコメントを発表した。「Microsoftがソース・コード開示を決定したのは驚きだった。EUは同社に対し,Windowsと通信するのに必要な技術文書の提供を求めていた。通常,ソース・コードは“最高”の文書ではない。だからプログラマは,ソース・コードだけでなく総合的な文書の提供も求められる」(Kroes 氏)

つまり、今までのソースコード開示ではWindowsのプロトコルおよびインターフェースとどのようにしてやり取りするかが記述されたドキュメントが無かったため、まったく意味を成さなかったわけです。

また、今まではソースコードを「閲覧」するだけで「改変」したりすることは認められていませんでした。

マイクロソフト、「.NET」のソースコードを条件付きで一部公開へ:ニュース - CNET Japan

ソースコードは「Microsoft Reference License」で提供される。同ライセンスの下では、ソースコードの閲覧はできるが、改変はできない。

今回の発表は今までのものよりはもうちょっと先にまで進んでおり、このようなマイクロソフトの公開するプロトコルなどに基づいて作成された「非商用」のソフトウェアの開発者を訴えたりはしない、としています。これにはオープンソースソフトウェアの開発者も含まれるとしています。

今回、マイクロソフトが約束するのは以下の4つ。

1:オープンな接続の保証
2:データの可搬性向上の推進
3:業界標準のサポート強化
4:お客様ならびにオープンソースコミュニティを含む業界内組織とのよりオープンな関係の構築

何を言っているのかさっぱりわかりませんが、マイクロソフトの最高経営責任者スティーブ・バルマーによると、
「今回当社が発表したプラクティスの変更は、当社の製品やテクノロジについての情報共有の方法に大きな変革をもたらす重要な施策です。当社は過去33年にわたって、世界中の何百社というパートナー企業との間に膨大な情報を共有しながら業界の成長に貢献してきましたが、本日の発表はそうしたこれまでの手法の透明性をさらに大きく拡大しようとするものです。当社の目標は、当社製品のオープン性を高め、当社テクノロジについてさらに多くの情報を公開することによって、相互運用性の強化をはかるとともに、より大きなビジネス チャンスや選択肢をお客様やパートナー企業に提供することです」
と言っています。

なお、今回の発表はEU競争法違反の罪で訴えられていた際の判決を受けて行われるものの一環であり、さらに数週間以内にこれらの動きに沿った次の動きを行うとのこと。何を公開するのでしょうかね?

2008/02/22 11:47修正
asahi.comが記事を修正しており、それによるとやはりソースコードまでは公開しない、とのことだったので記事タイトルや内容を修正しました。

2008/02/22 12:03追記
マイクロソフトから日本語によるリリースが出たのでそれを参考にして大幅に加筆訂正しました

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in メモ, Posted by darkhorse