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猛暑日にエアコンの設定温度をメーカーによって遠隔ロックされてしまう事態が発生


2022年の夏はヨーロッパで40度超えの暑さが観測されたり、日本でも統計開始以降1位タイの高温を記録したりと世界中で記録的な猛暑となりました。そんな猛暑の中、アメリカのコロラド州では「エネルギー緊急事態」の影響でエアコンの温度設定が強制的に変更不能になる事態が発生しました。

Thousands of Xcel customers locked out of thermostats during 'energy emergency'
https://www.thedenverchannel.com/news/contact-denver7/thousands-of-xcel-customers-locked-out-of-thermostats-during-energy-emergency

温度設定の変更が不可能になった空調システムは、エネルギー企業のXcel Energyが提供するもので、影響を受けたユーザーは2万2000人と報じられています。影響を受けたユーザーの1人であるトニー・タラリコ氏によると、2022年8月30日に気温が32度にまで上昇したためエアコンの設定温度を下げようとしたところ、「エネルギー緊急事態のため、温度設定はロックされています」という警告が表示され、温度変更が不可能になってしまったとのこと。タラリコ氏は「似たような警告が表示された場合でも、大体は無視できます。しかし、今回はそうではありませんでした。エアコンの設定温度は25~26度で固定されてしまいました」と述べています。


Xcel Energyは、温度変更のロックはXcel Energyの提供する報酬プログラム「AC Rewards Smart Thermostat Program」の参加者を対象に実行されたと述べています。AC Rewards Smart Thermostat Programは、電力需要のピーク時にXcel Energyがプログラム参加者のエアコン設定温度を調節することを許可する代わりに、初回登録時に100ドル(約1万4000円)、プログラムへの参加ごとに25ドル(約3500円)の報酬を獲得できるプログラムです。


Xcel EnergyによるとAC Rewards Smart Thermostat Programの提供開始から6年で温度変更を無効化したのは今回が初めてとのこと。また、温度変更の無効化には「予期せぬ停電」「猛暑」「エアコン利用の増加」といった複数の要因が関わっているとされています。突然のエアコン温度変更無効化を経験したタラリコ氏は「例えそれがめったにないことだとしても、自分の家に設置した自分のエアコンをコントロールできない状況は受け入れられません」と述べ、Xcel Energyの対応を非難しています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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