スクレイピングでLinkedInの公開情報を活用することに問題はないと裁判所が判断

by Ashley Buttle

ビジネスに特化したSNSとして知られるLinkedIn(リンクトイン)で一般公開されているプロフィールデータを、企業支援のスタートアップ・hiQ Labsスクレイピング(情報抽出)して利用していたことに関連して行われていた訴訟で、裁判所はこの利用は問題ないという判断を下し、LinkedInに対してhiQ Labsへのアクセス制限措置を24時間以内に解除するよう命じました。

U.S. judge says LinkedIn cannot block startup from public profile data
http://www.reuters.com/article/us-microsoft-linkedin-ruling-idUSKCN1AU2BV


hiQ Labsは2012年に創業した、企業の人事問題のサポートを行うスタートアップ。その業務の中で、企業で働く人材の情報を得るために、LinkedInで誰でも見られるようになっているプロフィールデータを取得し、活用していました。しかし、2017年5月下旬、hiQ Labsのマーク・ウェイディックCEOはLinkedInからデータの使用をやめるようにという書簡を受け取ることになります。

LinkedIn, HiQ spat presents big questions for freedom, innovation - San Francisco Chronicle
http://www.sfchronicle.com/business/article/LinkedIn-HiQ-spat-presents-big-questions-for-11274133.php

ビジネス存続の危機を迎えたhiQ Labsは、独占禁止法違反でLinkedInに対する訴訟を起こしました。一方で、LinkedInは、hiQ Labsによるスクレイピングが1986年に制定された「コンピュータ犯罪取締法(Computer Fraud and Abuse Act)」に反していると主張。スクレイピングを巡っては、FacebookがPower Venturesを訴えた裁判があり、Facebookが勝訴していますが、Power Venturesはスクレイピングをしただけではなく、得たデータを利用してコピーサイトを作っていました。

LinkedIn: It’s illegal to scrape our website without permission | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2017/07/linkedin-its-illegal-to-scrape-our-website-without-permission/

LinkedInとhiQ Labsの訴訟の結果は冒頭の通り。エドワード・チェン裁判官は、スクレイピング自体は問題がなく、LinkedInはhiQ Labsによるアクセスを遮断する措置を24時間以内に解除するよう命じる判決を出しました。

判決が出る以前から、スクレイピングを争点とするとLinkedIn不利という見方は出ていました。特に、hiQ Labsが使用しているのは誰でもアクセスできる範囲のプロフィールデータであるため、この部分のデータを使えないようにアクセスを規制するということは、相手を問わずアクセスを規制することに等しくなる、という見解です。

hiQ Labsは判決を受けて「『公開データ』は公開されているべきであり、インターネットの革新は力ある一部の企業による『法的ないじめ』や競争を抑止する公開データの囲い込みによって抑え込まれるべきではありません」とコメント。

一方、LinkedIn側はこの判決への失望を露わにしています。広報担当のニコール・レブリック氏は「LinkedInメンバーが公開している情報をコントロールする力を守るために戦い続ける」とコメントしています。

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