誕生日ケーキのろうそくの火を吹き消すとケーキにいる細菌は1400%になる
by Mark Harrington
「バースデーケーキにささったろうそくの火を吹き消す」という行為について、「つばがケーキに降りかかって細菌がまき散らされるのでは?」と心配する人もいるはず。そんな日常の疑問を科学者が実験を行って調査しところ、「ろうそくの火を吹き消す」という行為で細菌の数は1400%、つまり14倍にまでなることが判明しました。
Bacterial Transfer Associated with Blowing Out Candles on a Birthday Cake | Dawson | Journal of Food Research
http://www.ccsenet.org/journal/index.php/jfr/article/view/67217
Blowing Out Birthday Candles Increases Cake Bacteria by 1,400 Percent - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/health/archive/2017/07/birthday-candle-bacteria/534987/
研究を行ったのは、クレムゾン大学で食品安全性について研究を行うPaul Dawson教授ら。バースデーケーキのろうそくを吹いて消すことでどれほど細菌が拡散するのか?ということを調べるために、Dawson教授は生徒たちと協力して限りなく実際の環境に近づけた実験を行いました。つまり、アイシングを施したアルミホイルで発泡スチロール製の土台を覆い、そこにろうそくを立てて実際に火を吹き消したわけです。なお、唾液の分泌を促すためにろうそくを吹き消す前にはピザを食べたとのこと。
by Eleven ~ NYC~ Teresa
その後、「ろうそくの火を吹き消した時」「ろうそくの火が吹き消されなかった時」両方のアイシングの細菌を培養して調べたところ、ろうそくを吹き消した時のアイシングにおける細菌は、吹き消されなかった時に比べて約14倍の数だったとのこと。興味深いのは、ろうそくを吹き消す人によって拡散される細菌の量が変化し、生徒のうち1人がろうそくを吹き消した際には、120倍以上ものバクテリアが観察されることもあったそうです。理由については言及されていませんが、多くの細菌をケーキに移す人がいれば、そうでない人もいるようです。
しかし、研究者らは、多くの場合これらの細菌に有毒性は少ないということから、「ろうそくを吹き消した後のバースデーケーキを食べることについて心配する必要はない」としています。「私の考えでは、これは健康上の懸念すべきことではありません。10万回同じことをやっても、病気になる可能性は極めて低いです」とDawson教授は語りました。一方で、インフルエンザウイルスなどをバースデーケーキに撒き散らす可能性もあるので、当然のことながら、病気中の人がケーキを吹き消すのは避けたほうがよいとのことです。
by Mamre Lim
なお、Dawson教授らは、このほかにも「5秒ルールの有効性」や「ソースの2度漬けでどのくらい細菌が広まるのか?」ということなど、日常で生じる食品安全性に関する疑問を調査しています。5秒ルールについては、サルモネラ菌などは「乾いた表面なら最高4週間以上生きながらえる上にすぐ食べ物に移動する」ということから重要なのは「時間」ではなく「落とした場所」であることを主張しており、ソース2度漬けは「見知らぬ人との握手やくしゃみ以上」に細菌を拡散するとしています。
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