あえて1000km長い航路を選択して大幅な時間短縮にエア・インディアが成功、その手法とは?
インドの航空会社Air India(エア・インディア)が、デリー-サンフランシスコ便をあえて長距離の航路に変更しました。この航路変更によって、なんと飛行時間を大幅に短縮することに成功しています。
Air India Taking Advantage of Tailwinds – Flightradar24 Blog
https://blog.flightradar24.com/blog/air-india-taking-advantage-of-tailwinds/
エア・インディアは、デリー-サンフランシスコ間を飛ぶAI173/AICI173便の航路を、従来は距離の短いアジア・ヨーロッパ・大西洋を順に通過する「西回り」のルートをとっていました。しかし、2016年10月15日からは、距離は遠くなるものの、中国を横断して日本上空を通過し北太平洋を横切る「東回り」のルートに変更しました。
従来の西回りルートの飛行距離は約1万4000キロメートルなのに対して、新しい東回りのルートの距離は約1万5000キロメートル。約1000キロメートルという、日本の本州の半分にあたる距離を余分に飛行する新経路でしたが、実際にかかったフライト時間は、旧ルートが16時間44分だったのに対して新ルートが14時間30分と、2時間以上の大幅な時間短縮を実現したとのこと。
なぜ、新ルートが距離アップにもかかわらず飛行時間の短縮に成功したのかというと、それは「偏西風」が原因です。新しい東回りのルートは、北半球の中緯度帯に西から東に向かって吹く偏西風を追い風にすることができるため、偏西風にあらがって飛ぶ従来の西回りルートに比べて機体の速度アップができたというわけです。さらに、偏西風を追い風にすることで、飛行速度がアップしただけでなく燃料の消費量も削減することに成功したとのこと。
なおエア・インディアは、復路にあたるサンフランシスコ-デリー間の航路は、依然として北極圏を通過する北回りのルートをとっています。しかし、場合によっては偏西風を利用できる東回りルートへの変更の可能性もありそうです。
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