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Googleが買収した日本の「Schaft」が、膝のない独自構造で安定感抜群の二足歩行ロボットを初披露


2012年に東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室(JSK)から独立・創業し、2013年11月にGoogleに買収されたヒト型ロボットの開発を行う日本企業「SCHAFT」が、2016年4月8日に日本で行われた新経済サミット2016(NEST2016)の中で開発中の二足歩行ロボットを公開しました。SCHAFTが過去に開発していた二足歩行ロボットは、人間でいうところの「膝」があるロボットなのですが、新しく披露されたロボットにはその「膝」がなく、動物とは異なる独特の動きをしています。また、足場の悪い場所や階段も楽々と移動しており、その抜群の安定性は驚きの一言です。

SCHAFTが新しく開発している二足歩行ロボットがこれ。名前はまだないプロトタイプですが、重量物の持ち運びなどに使用される見込みです。

No name yet for Google #Schaft prototype bipedal robot, aimed at helping society by carrying heavy loads #NEST2016 pic.twitter.com/wuMMG65GPg

— timhornyak (@robotopia)


同ロボットが実際に動いている様子は以下のムービーから確認できます。

Google owned Schaft unveils new bipedal robot - YouTube


NEST2016に登場したSCHAFTの中西雄飛氏と、同企業が開発中の二足歩行ロボットがステージに登壇。ロボットはテクテクと歩きながらステージ上に登場しており、会場中がパシャパシャと写真を撮影しまくります。


そして同ロボットの性能を披露するムービーが流れます。まずはサッカースタジアムを移動しまくる映像。


スタジアムにはたくさんの階段がありますが、それらをまったく問題にしていない様子。


ロボットには人間で言うところの「膝」がありません。その代わりに、脚と胴体部分の付け根が上下にスライドし、脚を上下に動かすことで可能になっています。


片足立ちのままもう片方の脚を前に動かしてペタリと着地させ、一歩ずつ歩く様子はどこか可愛らしくもあります。


横移動時はカニ歩き。


芝生の上もペタリペタリ。


続いて60kgの重りをのせたまま移動。重量物を持ち運ぶことも可能な運搬性能を有しています。


さらに、以下のムービーはロボットが鉄パイプを踏んでも倒れない様子を収めたもの。


片足立ちする瞬間に鉄パイプを踏ませてロボットを転倒させようとしますが……


ロボットは巧みなステップとバランスをとって、転倒を防ぎます。


続いて狭い環境の移動。


ロボットの横幅と同じくらいのスペースでも楽々移動できます。


さらに、足元に掃除機機能を搭載して階段の段差を掃除している様子。ルンバなどのロボット掃除機では困難な階段の掃除が可能になるというわけです。


次は、人間の住環境以外での移動能力をテストしている様子。最初にやってきたのは山道。


山道は地面が滑ったり柔らかくて不安定だったりと、コンクリートの上よりもはるかに歩きにくくなっているのですが、そこでも抜群の安定感を披露します。


続いてやってきたのは海岸沿い。


たくさんの小さな石が重なった地面は、地面を踏む度に重なり合った石と石がズレて足元が滑るのですが、ものともしません。


最後は雪山での歩行テスト。


歩き慣れていない人にとっては非常につらい雪道ですが、ロボットは難なく歩行を続けています。


同ムービーのコメント欄には「大きな疑問としては、あごひげの彼がロボットをキックできるかどうかだね」と、近年の二足歩行ロボットがうまくバランスをとるりながら歩くことができることを示す際に行われるテストを要求する声や、「伸縮自在の脚部と低い重心の本体。面白い」「不完全だ。だってこれは戦闘機に変形することすらできない」「1970年台のスターウォーズに出てくるロボットみたい」という意見までさまざまでした。

なお、SCHAFTがGoogleに買収される前に作成していた二足歩行ロボットは以下のようなものになっていました。

High-Power Robot Legs Can Jump, Balance - YouTube


Googleといえば先進的なロボット開発を行ってきたボストン・ダイナミクスを売却する方針であることが報道されていますが、Schaftという隠し球があるからこそ行える売却なのかもしれません。

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in 動画, Posted by logu_ii

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