レビュー

アウトドアに特化したCASIOの頑丈系スマートウォッチ「WSD-F10」レビュー


Apple Watchに代表されるスマートウォッチは多機能さをウリにしていますが、その多機能さがあだとなって何に使ったら良いのか分からない、そもそもウォッチと言いながらバッテリーのもちの悪さゆえに時計としての役目を十分に果たせないという本末転倒な使い勝手の悪さがあります。しかしCASIOが作るスマートウォッチ「WSD-F10」は、さすがに腕時計メーカーだけあって時計としての性能を満たした上で、プラスアルファの機能を備えた情報端末となっています。

Smart Outdoor Watch - CASIO
http://wsd.casio.com/jp/ja/

◆開封&外観チェック
「WSD-F10」は灰色の箱に入っています。


箱を開けるとWSD-F10が登場。


中にはWSD-F10本体、充電用ケーブル、ACアダプター、説明書が入っていました。


手に取るとずっしりしていて抜群の剛性感。G-SHOCKのCASIOだけあって、高い耐久性を持っていそうなことが、この時点でひしひしと伝わってきます。まずは保護フィルムを剥がします。


WSD-F10はグリーン、オレンジ、ブラック、レッドの4色展開。オレンジはこんな感じ。


画面の上には「CASIO」のロゴ。一見、メタルフレームのようですが、樹脂製です。


ゴム製のベルトはサイズ調整用の穴が多数開いた一般的なタイプ。


左サイドには……


充電端子と圧力センサーを搭載。WSD-F10には圧力センサー以外にも加速度センサー、ジャイロセンサーを搭載しており、方位を計測することも可能です。


右サイドには……


金属製の3つのボタン。


下(写真では左)から順に、アプリをショートカットで登録できる「APPボタン」、電源のON/OFFや照明をオフにする「電源ボタン」、専用のツールアプリを呼び出す「TOOLボタン」を搭載。WSD-F10はトレッキング、サイクリング、フィッシングを想定したスマートウォッチなので、グローブをしていても操作ができるように大きめのボタンが配置されています。


画面の下にはマイクを搭載。Android Wear端末のWSD-F10はもちろん音声コマンド「OK、Google」を使うことが可能です。なお、マイクを搭載しながら5気圧防水を実現しており、アウトドアフィールドを専門とするスマートウォッチだけあって雨をものともしない仕様となっています。


特殊ネジはこんな形。


ステンレスの背面プレートはヘアライン加工されており、剛性感だけでなく高級感があります。


充電は専用の充電ケーブルを使ってこんな感じで行います。充電端子はマグネット式で脱着は極めて容易。専用の台に置いたりMicro-USBケーブルを挿入したりするスマートウォッチと比べると充電は楽で、ケーブルさえ届けば腕にWSD-F10をはめたまま充電することも可能です。


◆スマートウォッチ機能
WSD-F10はAndroid Wear端末なので、まずは連携させるスマートフォンにAndroid Wearアプリをインストールします。Android WearアプリはiOS版も使えますが、連携できるアプリの数に制限があるiOS版よりもフル機能を使えるAndroid版の方がオススメです。

Android Wear - 端末 - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.wearable.app

Google Playで「Android Wear」を検索して、「インストール」をタップ。


「同意する」をタップ。


「開く」をタップして、アプリを起動します。


WSD-F10の電源をONにしてから、「→」アイコンをタップ。


「同意する」をタップ。


「CASIO WSD-F10(数字)」をタップ。


WSD-F10とスマートフォンをペア設定します。


「PAIR」をタップ。


しばらく待ってペアリングできればOK。


最初にチュートリアルアニメーションが始まります。


チュートリアルが終わったら、「通知を有効にする」をタップ。


通知へのアクセスの「Android Wear」をONにすればOK。


WSD-F10をさくさく快適に操作できる様子は以下のムービーを見ればよく分かります。

CASIOのアウトドア用スマートウォッチ「WSD-F10」の操作はこんな風にする - YouTube


・省電力モード
電源画面を一度押すと……


液晶がモノクロ表示になります。アプリ操作を行わない状態では、モノクロ表示でバッテリー消費電力を削減することが可能です。


・ウォッチフェイスの変更
WSD-F10のディスプレイはもちろんタッチ操作可能。画面を長押しすると……


ウォッチフェイス(時計のデザイン)を変更できます。


これはデフォルトの「オーセンティック」というデザイン。クロノグラフのような各種メーターに、バッテリー残量や大気圧などの情報を表示することが可能です。


カラー要素を廃したモノクロデザインは、明るさこそ落としていますが視認性は極めて良好。晴れた日の屋外でも十分、時刻を認識できます。


・アプリ操作
時刻表示画面(ホーム画面)で電源ボタンを長押しするか、画面を左へスワイプすると……


アプリ画面が登場します。また、横方向にスワイプすることで「アプリ」「連絡先」「モード」のメニューを切り替えられます。


メニュー内は上下方向にスクロールしてアプリを選択可能。


「アクティビティ」というアプリでは……


アウトドアの種別によって表示する情報を変更可能。「Trekking」や……


「Fishing」


「Cycling」の3種類のモードが用意されています。


例えばCyclingモードでは、「車速」「時刻」「走行距離」「走行時間」を表示できます。


・ツールアプリ
ホーム画面で「TOOL」ボタンを押すとアウトドアで役に立つ各種情報を表示する「ツールアプリ」が起動します。


「方位」


「標高」。ただし、なぜか海抜ゼロメートル以下になっています。


「大気圧」


潮汐を表示する「タイドグラフ」


「日の出、日の入り」の時刻


各種情報画面でTOOLボタンを長押しすると……


シンプルなモノクロ表示に変更できます。


TOOLボタンを押したり画面をスワイプしたりして表示内容は切り替え可能。活動中でも必要な情報だけが一目で分かるので便利です。


TOOLボタンを長押しすると……


カラー表示に戻せます。


・スマートフォン検索
手元にスマートフォンが見当たらないという場合には「スマートフォン検索」アプリでスマートフォンからアラームを出して探し出すことができます。


アラーム検索を中止するには「×」をタップ。探す場合はしばらく待つと……


スマートフォンから大きな音が鳴り響き、場所を特定することができます。アラーム音を止めるには「×」をタップすればOK。


・設定
「設定」の中の……


「明るさの調整」でディスプレイの輝度を変更できます。


輝度は5段階で調整可能です。


「常に画面表示ON」をタップして……


表示を「常に画面表示OFF」に変更すると……


ホーム画面からスリープに入ると……


よりシンプルなモノクロ画面で消費電力を低減させられます。WSD-F10はカラー液晶と低消費電力のモノクロ液晶の2層構造を使い分けることで長時間駆動を実現しています。


・タイムピース
WSD-F10は、スマートフォンとの連携を解除して、最大で1カ月のバッテリー駆動を実現する「タイムピース」モードを備えています。「タイムピース」アプリをタップして……


「チェックマーク」アイコンをタップすると……


シャットダウンが始まり……


シンプルなモノクロ画面になりました。タイムピースモードではWSD-F10をデジタル時計として使うことが可能。タイムピースモードではスマートウォッチとしての役目を果たさないので常用することは考えられませんが、バッテリーが切れそうな場面でタイムピースモードに切り替えることで、充電できる状況になるまでデジタル時計として使う、というような使い方ならば大いにアリです。


◆屋外で使ってみた
WSD-F10はアウトドア派のためのスマートウォッチ、というわけで山に持ち込んで使ってみました。


WSD-F10のディスプレイは非常に見やすく、わざわざ日陰に移動して表示を確認するという必要はほとんどありませんでした。


スマートフォンの機能ではなくWSD-F10のセンサーを活用できるツールアプリは想像以上に便利です。曇り空の山道でも方向を見失うことはなさそうです。


「-47メートル」スタートだったことを考えると標高は約300メートル。


標高300メートルを考慮しても大気圧は低め。一雨来そうな天気です。


トレッキングのスケジュール管理に日没の表示は便利です。


Googleマップの表示もこの通り。しかし、スマートフォンの電波がない状態では当然ながらオンライン前提のアプリは使えない点には注意が必要です。


◆まとめ
WSD-F10はトレッキング、サイクリング、フィッシングなどのアウトドアで使えるように設計されたアクティブ派のためのスマートフォンでコンセプトが非常に明確です。デザインや使い勝手についても「腕時計」として十分使える性能を持つのは時計を作り続けているCASIOならではという感じ。新興メーカーが作る、そもそも時計として使い勝手が悪かったり「何でもできる」と言いつつ何をやったらいいのか分からない、多機能スマートウォッチとは一味違った完成度です。

また、デザイン性重視のスマートさは捨て、無骨でゴツい代わりに耐久性・防水性など実用性抜群の潔さはむしろ好感が持てます。実際に使ってみたところ、タイムピースモードを使わなくてもまるまる2日は余裕でバッテリーがもち、バッテリーの充電のしやすさも秀逸なので、スマートウォッチにつきもののバッテリーに対する不安はほとんどありませんでした。

トレッキング、サイクリング、フィッシングなど明確な使用目的があるユーザーには、WSD-F10は非常に頼もしい存在と言えそうです。


WSD-F10はCASIO公式オンラインショップe-casioで7万5600円(税込・2100ポイント)で販売中です。

【e-casioオンラインショッピング】WSD-F10RG: Smart Outdoor Watch
http://www.e-casio.co.jp/shop/g/gWSD-F10RG/


また、Amazonでも約6万8000円前後で発売中となっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
GoogleのスマートウォッチOS初の大型アップデート「Android Wear 2.0」新機能まとめ - GIGAZINE

Android Wearの第1弾、スマートウォッチ「LG G Watch」速攻レビュー - GIGAZINE

Android Wear搭載スマートウォッチ「LG G Watch」を1週間使ってわかったこととは? - GIGAZINE

スマートウォッチ「Android Wear」を使い倒すための無料アプリ12選レビュー - GIGAZINE

Android WearがiPhone対応、Apple Watch以外のスマートウォッチが思う存分利用可能に - GIGAZINE

持て余し気味な「Apple Watch」を復活させるための設定まとめ - GIGAZINE

Apple Watchの標準搭載アプリで一体何ができるのか? - GIGAZINE

Apple Watchを見るだけで楽々電車を乗換えられる「乗換案内アプリ」4選 - GIGAZINE

in レビュー,   モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.