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広告をブロックしている利用者について大手新聞社が閲覧禁止を示唆

By Angus Veitch

ニューヨークに本社を構え日本の朝日新聞社とも提携している新聞「The New York Times(NYT)」のマーク・トンプソンCEOが、広告を除去するブラウザ拡張機能を使っているユーザーをブロックする可能性を明らかにしました。

The New York Times Might Ban Visitors Who Use Ad Blockers | Adweek
http://www.adweek.com/news/press/new-york-times-might-ban-users-who-use-ad-blockers-stuff-not-made-free-169828

NYTのトンプソンCEOは、ニューヨークで開催されたソーシャルメディアウィークの基調講演で「収益に貢献することなく我が社のジャーナリズムから恩恵を受けるのはよくないことです。我々が行っていることは対価を得る価値があります。無料で視聴できる全国ネットのチャンネルではなく、有料放送のHBOのようなものと考えていただきたい」と話しました。

By Shawan Zain

NYTはデジタル版の有料購読サービスを展開していて、トンプソンCEOは「我々の記事は無料ではない」と発言。また、広告除去ツールを提供する企業が、特定企業のサイトを「ホワイトリスト」に加えて除去対象から外すことについても、「広告除去ツールを提供する企業は、広告をのせるには許可が必要ですよ、とゆすっているようなもの。これを許すことはできない」と意見を述べました。

最後には、有料購読者ではないのに広告除去機能を使うユーザーのブロックについて考えていることを明らかにしました。


紙の新聞の売上が減少したこともあり、NYTのウェブサイトの広告は収益に関して重要な役割を担っています。現に、2015年第4四半期では紙面の広告からの収益が7%減少したものの、ウェブサイトでの広告収益は8%上昇。また、第4四半期のデジタル版新規購読者数は5万3000人で、合計110万人に到達。デジタル版の有料購読からの収益は1億9300万ドル(約218億円)となり、2014年同期から14%増加しました。トンプソンCEOは「NYTのジャーナリズムは高価なものであり、対価が払われるべき手作りの製品です」と話しています。

広告除去機能については、バルセロナで開催された世界最大の携帯見本市「Mobile World Congress」でも議論の的になりました。GoogleやYahoo!、AOLの役員が集まったパネルディスカッションでは、Yahoo!のニック・フース氏が「モバイルで広告ブロック機能を使用しているユーザーはエコシステムを破壊している」と発言し、Googleのベンジャミン・ファース氏も「広告ブロック機能を提供する企業が、私の代わりに広告の除去を決定するのは不快に感じます」と広告ブロック機能に対して批判的な姿勢を見せました。

なお、広告ブロック機能のユーザーをブロックする可能性を示唆したNYTは、CEOの発言があった翌日に「スマートフォンのバッテリーを長持ちさせるヒントと神話」という記事を掲載し、その中でバッテリーを長持ちさせる方法として「広告除去ツールを使って広告をブロックすること」を紹介していました。記事によれば、ブラウジングの際に広告を読み込むことで電池が消費されるので、広告をブロックするアプリをインストールするとバッテリーが長持ちするとのことです。


・つづき
ついにニューヨーク・タイムズが広告非表示ユーザーに対して記事を非表示に - GIGAZINE

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in ネットサービス,   ウェブアプリ, Posted by darkhorse_log

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