ソフトウェア

Adobe Creative CloudがMacのデータを勝手に削除する深刻なバグが発見される


PhotoshopやIllustratorをはじめとするクリエイター向けツールを月額制で使えるAdobe Creative Cloudで、ユーザーのローカルデータを勝手に削除してしまうバグが発見されています。場合によってはシステムの動作にも影響が出る可能性もあるので、Adobe Creative Cloudを使っているユーザーは今すぐソフトウェアの確認を行った方が良さそうです。

.bzvol is missing : Help Desk
https://backblaze.zendesk.com/entries/98786348

Warning: Bug in Adobe Creative Cloud deletes Mac user data without warning | Ars Technica
http://arstechnica.com/apple/2016/02/warning-bug-in-adobe-creative-cloud-deletes-mac-user-data-without-warning/

このバグは、データバックアップサービスを提供しているBackblazeによって明らかにされたもの。当初はBackblazeユーザーに限定されたものと思われていた問題でしたが、後にAdobe Creative Cloudをインストールしている全てのMacで起こる可能性があることが判明しています


問題が発生する条件は、Mac向けAdobe Creative Cloudのバージョン3.5.0.206がインストールされていることが明らかになっています。実際に最新版のAdobe Creative Cloudによってデータが消去されてしまっている様子は、以下のムービーで確認できます。

Adobe Creative Cloud - 3.5.0.206 Deleting Data (on Mac) - YouTube


実際にMacでバグを再現している様子。左上にはローカルに保存されているユーザーのデータ3つが表示されており、右側にはAdobe Creative Cloudバージョン3.5.0.206が表示されています。また、左下に表示されているように、Backblazeのクライアントソフトもインストールされていない状況。つまり、Adobe Creative Cloudを使っているユーザーのごく一般的な状況というわけです。


手順を追うために、まずはAdobe Creative Cloudからサインアウト


少し時間が必要


次に、そのままの画面で再びAdobe Creative Cloudにサインイン


数秒後にサインインが完了した瞬間、それまで表示されていた3つのデータが全て消滅。このように、Adobe Creative Cloudのクライアントソフトがデータを勝手に消去してしまうことがわかりました。


この問題が発生する場所は、Macのルートディレクトリの中で、アルファベット順でソートされた先頭にあるフォルダに含まれるコンテンツであることが判明しています。実際にバグを再現しているムービーでも、フォルダ名は「.all_my_important_files」と「.a」で始まっていることがわかります。


この発生条件は、問題をBackblazeが最初に明らかにしたことにも関連があるとのこと。Backblazeが作成するフォルダの名称は「.bzvol」というものであり、偶然にもルートディレクトリの先頭にあったためにファイルが消去され、問題が発覚しています。さらに、Ars TechnicaによるとMacでは多くの場合「.DocumentRevisions-V100」というフォルダが一番上にあり、このフォルダはMacの自動保存機能に使われているため、ファイルが削除されてしまうと何らかの問題を引き起こす可能性もあるとのこと。

Adobeの広報は「一部のユーザーに問題が起きていることを確認しており、問題を可能な限り速やかに解消するための調査を実施しています。問題が解決されるまで、Adobe Creative Cloudの更新版の提供を中止しています」と対応を明らかにしています。

まだAdobe Creative Cloudのバージョンアップを行っていないユーザーは、今後更新される「バージョン3.5.0.206」以降の対策済みアップデートまで更新を保留する必要があります。また、すでにバージョン3.5.0.206にアップデートしてしまっている場合は、Adobe Creative Cloudにサインインすることを避けておいたほうがベター。いずれにせよ、今後提供されるはずの対策版が入手できるまで、細心の注意が必要です。

◆2016/02/16 10:20追記
上記の問題を解消したアップデート「バージョン3.5.1.209」がリリース済みです。ほとんどの場合はすでにオートアップデート機能によって更新済みのはずですが、念のためバージョンをを確認しておいたほうが良さそうです。

Release notes for the Adobe Creative Cloud desktop app
https://helpx.adobe.com/creative-cloud/release-note/cc-release-notes.html

更新内容は「Mac版Creative Cloudデスクトップがいくつかの状況においてルートディレクトリ(ルートフォルダ)からファイルを削除する問題を解消」と書かれています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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