90万人がだまされて被害額は9100億円以上、前例のないオンライン詐欺が発生
by Pictures of Money
「資金を運用し、利益を配当金として還元する」という名目でお金を集め、実際には新しく出資した投資家のお金を古株の投資家に渡すことで資金運用を行っているかのように偽装するポンジ・スキームが中国国内で発覚しました。中国国内の約90万人が被害に遭い、被害額は合計で590億香港ドル(約9162億円)にものぼる「中国史上最大のオンライン詐欺」と報じられています。
Chinese police swoop on HK$59 billion ‘record-breaking online Ponzi scheme’ | South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/china/economy/article/1908003/chinese-police-swoop-hk59-billion-record-breaking-online-ponzi
今回見つかったポンジ・スキームは、中国最大のソーシャルレンディング企業の「Ezubao」が行っていたもの。Ezubaoは2014年7月に設立し、設立当初に資金調達のための大規模な宣伝活動を実施していました。「社内のさまざまなプロジェクトに対する投資を募って、投資家に年間売上の9%から14.6%を還元する」という名目で資金を集めていましたが、実際はプロジェクトの大部分が偽物で、新規の投資家から集めたお金を以前からの出資者に渡してあたかも資金運用を行っているかのように偽装していたとのこと。
by Refracted Moments™
Ezubaoの子会社の前社長を務めていたZhang Min氏は「Ezubaoのやっていることは完全にポンジ・スキームです」と語り、Ezubaoの上層部は当初から詐欺行為を認識していたと明かしています。Ezubaoの設立者であるDing Ning容疑者は、子会社の前社長のZhang氏に1億3000万香港ドル(約20億円)のプレゼントを贈ったり、1200万香港ドル(約1億8600万円)のピンクダイヤモンドの指輪や、5億5000万香港ドル(約85億円)の現金を贈ったりして、被害者から巻き上げたお金で豪勢な暮らしを送っていたそうです。
中国では2016年の経済政策の優先課題として、習近平国家主席が2015年12月の中央経済工作会議で「経済危機管理」を掲げたことと、中国の政治・法委員会がインターネット上の不法取引を廃絶すると宣言したことから、中国警察が2015年12月からEzubaoの捜査を開始。投資家が使っていたPCから、ポンジ・スキームに巻き込まれた人を次々と発見し、設立者のDing容疑者を含む、少なくとも21人の逮捕に至ったとのこと。
Ezubao社内では経済政策発表後にポンジ・スキームを継続できなくなり、上層部が1200冊以上の会計簿を80枚のビニール袋に分けて、アンホイ地区郊外の地中に埋めて証拠隠滅を図っていました。しかし、中国警察は埋められた証拠を掘削機2台で20時間以上かかって掘り出したそうです。中国警察は今後、Ezubaoの集めた資金がどのような経路をたどっていったのかを捜査していき、さらに被害者に詐欺被害の詳細を聞き取る予定とのことです。
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in セキュリティ, Posted by darkhorse_log
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