取材

アクション自慢のアニメスタジオ「ボンズ」の2015年最新状況を社長が語った「ボンズでトーク」


「鋼の錬金術師」「血界戦線」などの原作付きの作品や「交響詩篇エウレカセブン」「亡念のザムド」「ストレンヂア 無皇刃譚」などのオリジナル作品で、特にアクションのあるアニメに定評のあるアニメスタジオがボンズです。マチ★アソビ vol.15では、そのボンズのプロデューサーであり代表取締役の南雅彦さんがトークステージを行い、2014年・2015年9月までの振り返りと、10月開始番組にかけた思いを語ってくれました。

イベント開始前に用意されたテーブルには新作「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」のポスターが。


まず2014年を振り返った南プロデューサー。「ノラガミ」、「棺姫のチャイカ」、「キャプテン・アース」、「ソウルイーターノット!」、「スペース☆ダンディ」と、幅広い作品を制作した2014年のボンズですが、その中でも、普段は「企画」のところに名前の入っている南プロデューサーが、久々に「プロデューサー」として作品に携わったのが「スペース☆ダンディ」でした。しかし、この作品は「やりすぎてしまって大変だった」とのことで、2015年のボンズは「好きなことだけやっていちゃいけない」という反省を踏まえての作品作りが行われました。

2015年にボンズが担当した作品といえば、まずは「血界戦線」が挙がります。ちょうどイベントの直前に最終話の放送があったことで、評判が気になった南さんがお客さんに向けて「どう?良かった?」と問いかけると拍手や「よかったー!」という声が上がりました。


この作品はアクションがあるのでボンズが制作することには不思議はないのですが、実はボンズが集英社原作の作品を担当するのは初めてのこと。南さんによれば「集英社さんとは初だからやっておこう」ということで引き受けたそうです。監督を担当したのは東映アニメーションで「京騒戯画」を作った松本理恵さん。

現在も連載が続く作品であり、いったい1クールでどうするかと考えた時に、まずオリジナル要素は入れなければ無理だろうということと同時に、アニメーション作品として1つの完結を迎える必要があると考えて、オリジナルのキャラクターであるホワイトとブラックが作品に入れられることになりました。制作は、それこそ「ボンズ全体が血界戦線ばかりやっている」という瞬間があったほどだそうで、10月から放送されている「ノラガミ ARAGOTO」のオープニング・エンディングの作画監督作業をしていた川元利浩さんは、ノラガミ作業終わりのところを南さんに「血界、残ってるんだよ!(泣)」と声をかけられ、ラストの方を手伝っているとのこと。この他にも、エンディングを見ると面白い人の名前が入っているとのことなので、録画した人はぜひ見直してみて下さい。

次に挙がるのは「SHOW BY ROCK!」。これまで「目が縦に長いアニメ」はあまりやっておらず、横長の目ばかりだというボンズ。さらに、キャラクターが「にゃー」と言うようなアニメもやったことはなかったのですが、原作がサンリオだということで、「この機会を逃すとサンリオさんとは一生会うことがないかもしれない」ということから受けたものだとのこと。

さらには「赤髪の白雪姫」の制作を行いました。この作品はアクションものではなく、また、メインの2人が手を繋ぐまでに2~3話かかるような、バリバリの王道の少女マンガ。これは、今このような少女漫画原作のアニメがあまり制作されないことに対して「やらなければいけない!」というわけのわからない使命感で引き受けたもの。こうした今年前半のラインナップに対しては、業界から「迷走するボンズ」「どうしたボンズ!」という声もあったそうです。


こうして2015年9月まで無事に走りきったボンズが制作している、10月開始の作品が「ノラガミ ARAGOTO」と「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」の2つです。ステージにはエイベックス・ピクチャーズの飯泉プロデューサーと、バンダイビジュアルの中路プロデューサーが登壇し、それぞれの作品をアピールしました。

「ノラガミ ARAGOTO」は2014年1月~3月の放送に続く、テレビシリーズ第2期。ボンズらしくアクション満載であり、かつ泣きのドラマもある作品です。タムラコータロー監督の原作愛がものすごく、「原作何巻何ページのあのセリフが」とすらっと出てくるほどに原作を読み込んでいるおかげで話に深みが出ているとのこと。アニメには原作と違って13本という制限があるため、原作中のエピソードでやれるものとやれないものとを仕分けていく必要がありますが、その際に「このセリフは削ってもいいのでは?」と提案すると、すぐさま「これはここの伏線になるのでダメです」と返されることもあるのだとか。原作者であるあだちとか先生や編集部さんに、連載の合間をぬって「ここはどうなっているのか教えて下さい」と質問することもあるそうで、「作品を理解して、原作者に協力していただけることがヒットの秘訣なのでは」と飯泉プロデューサー。

左から南さん、飯泉さん、中路さん。


ノラガミ ARAGOTOのPVはこんな感じ。

TVアニメ『ノラガミ ARAGOTO』第2弾PV - YouTube


一方の「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」は水島精二會川昇伊藤嘉之という、「鋼の錬金術師」(第1作)のゴールデントリオによる作品。アクションと同時に、會川さんの手による骨太ストーリーも見所です。キャラクター原案はいとうのいぢ氷川へきる平尾リョウといろいろな人にやってもらっていますが、これは水島監督が作った「大江戸ロケット」の時の経験が生きており、いろいろなキャラクターの絵柄を1つにまとめるのもアニメでしかできない表現方法であるということでやっているもの。

制作面では、會川さんのシナリオ制作が非常に早く、全話のうちほとんどを會川さんが担当。ゲストライターとしてはテレビアニメ版「サザエさん」第1話の脚本などで知られる辻真先さん、「キルラキル」の中島かずきさんらの名前が挙がりました。この作品を担当している中路プロデューサーは、P.A.WORKS代表の堀川憲司さんから「南さんからお願いされたら選択肢は2つ、『はい』か『YES』。心してやるしかない」というアドバイスを受けて挑んでいるそうです。


バンダイビジュアルがYouTube公式アカウントで映像を配信しています。

『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』第1話 東京の魔女(とうきょうのまじょ) - YouTube


現在放送されているのはこの2本ですが、今後の作品として「赤髪の白雪姫」の第2期が決まっています。また、「STAR DRIVER 輝くのタクト」の五十嵐卓哉・榎戸洋司コンビによる「文豪ストレイドッグス」も控えています。さらに、オリジナルで大きなプロジェクトが動いており2016年に発表があって2017年から順次やっていく予定、原作モノの新しいテレビシリーズを12月ぐらいに発表予定。このあたりは、まだ南プロデューサーでも明かせない情報が多々あるため、今後の発表を楽しみにして欲しいとのことでした。


また、新番組ではないものの「スペース☆ダンディ」がBSフジとTOKYO MXでセレクション放送を実施中。また、本編のみを収録したスペシャルプライスのBD-BOXが税別1万8000円で2016年1月29日(金)発売だとのことなので、ボンズにどっぷり浸かりたいという人はこちらもチェックしてみて下さい。

『スペース☆ダンディ』1/29発売Blu-ray BOX CM15秒編 - YouTube

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in 取材,   動画,   アニメ, Posted by logc_nt

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