2700万通ものスパム送信でFacebookの「スパム王」が有罪に、スパムメール自体は12年前のレベルにまで減少
by mkhmarketing
Facebook上で約50万個のアカウント情報を不正に入手して2700万通ものスパムメッセージを送信したとして、アメリカ・ラスベガス在住の男性に有罪判決が下されました。SNSが普及した近年では、従来のスパムメールよりも、今回のようなSNSを通じたスパムメッセージの被害が増加傾向にあるようです。
Facebook ‘Spam King’ Guilty for Sending 27 Million Messages - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-08-25/facebook-spam-king-guilty-over-27-million-messages-u-s-says
ラスベガスに住む47歳のSanford Wallace氏は「スパム王」として名の知れた人物で、警察の調べに対して「2008年から2009年にわたって自身が大量のスパムメッセージを送信した」ことを認めているとのこと。また、Wallace氏はFacebookの利用規約を破ってFacebookのネットワークに侵入したことも自認しており、2015年8月24日に行われた裁判で懲役3年と25万ドル(約3000万円)の罰金刑が下されました。
FacebookやTwitterなどのSNSが普及していく中で、従来の電子メールのスパムは12年前の水準にまで減り、代わりに今回のようなケースが増えて攻撃方法はさらに多種多様になっているという調査結果が判明しています。
Email Spam Reaches Lowest Rate since September 2003 | Digital Trends
http://www.digitaltrends.com/computing/email-spam-12-year-low/
セキュリティソフト開発会社のシマンテックによれば、スパムメールは電子メール全体の49.7%にまで減少しており、スパムメールの割合が半数以下にまで減ったのは2003年9月以来とのこと。
なお、フィッシング詐欺やマルウェアを含むスパムメールは減少傾向にあるものの、新たなマルウェアの派生が2015年4月には2920万個、2015年5月には4450万個、2015年6月には5760万個も見つかったそうです。2015年7月には、PCへのアクセスを制限し、制限解除と引き替えに身代金の支払いを要求するランサムウェアが過去12カ月間で2番目に多い47万7000件も報告されており、シマンテックは「サイバー攻撃が減ったのではなく、スパムに次ぐ新たな手法の攻撃が増えている」とコメントしています。
製造業に対するサイバー攻撃は、2015年5月には全体の41%を占めていたものの、2015年6月には22%と減少傾向にあります。しかし、金融業や保険業に比べてはるかに売上の多い製造業は、今後もサイバー攻撃の対象となる可能性が大いにある、とシマンテックは分析しています。
新たなスパム攻撃に対して、Twitterは「BotMaker」という新しいスパム対策システムを導入してスパムに対抗。BotMakerはリアルタイムでスパムを見つける「Scarecrow(かかし)」、リアルタイムで見過ごしたスパムを機械学習技術で対処する「Sniper(狙撃者)」、ユーザーの行動を定期的に分析する「周期的プロセス」の3段階でスパムを削除しており、「BorMaker導入後にスパムツイートが約40%減少した」とTwitterは発表しています。
Fighting spam with BotMaker | Twitter Blogs
https://blog.twitter.com/2014/fighting-spam-with-botmaker
Googleでは、独自のアルゴリズムと手動でのサイト確認の両方を駆使して、スパムに対抗しているとのことです。以下のページではGoogleが実際に確認したスパムのスクリーンショット実例57個を見ることが可能です。
スパム対策 - 検索サービス - Google
http://www.google.com/insidesearch/howsearchworks/fighting-spam.html
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