子どもが54万円分もXboxでゲーム内購入するとどうなるのか?
By Jiposhy .com
最新のXboxやPlaystationはインターネット接続に対応しており、登録されたクレジットカードからゲームソフトを購入してダウンロードすることができます。ゲームによってはゲーム内ストアで、ストーリーを有利に進められるデータを「ゲーム内購入」することも可能ですが、世界銀行でコーポレート・コミュニケーション部門の責任者を務め、ビル&メリンダ・ゲイツ財団で働いた経歴を持つジェレミー・ヒルマン氏の息子が、なんとXboxのゲーム内購入で総額4500ドル(約54万6000円)ものデータを購入していた経緯がブログで綴られています。
Microsoft X-box and a family problem — Medium
https://medium.com/@jeremyhillman/microsoft-x-box-and-a-family-problem-8da1b57c7a74
ある日、普段はほとんどクレジットカードの決済履歴を確認しないヒルマン氏がたまたま履歴を確認したところ、2日間で連続4回にわたってMicrosoftにより109ドル(約1万3000円)の決済が行われていることに気付きました。ヒルマン氏の息子がXbox 360を使っているため、ヒルマン氏は妻と息子を集めて「何かの間違いではないか?」と問いただしました。すると息子はFIFAのサッカーゲームで有料の「選手パック」を購入したことを告白。
ヒルマン氏の家族はシアトルから東海岸に引っ越してきたばかりで、ヒルマン氏の息子は遊び相手を失ってしまい、近頃は家でゲームをプレイすることが多くなっていたとのこと。息子が泣きながら「100ドルの選手パックを買おうとして、購入手続きがうまく進まなかったから何度か試した」と事情を打ち明けたので、ヒルマン氏はMicrosoftのサポートに連絡し、経緯を説明しました。サポート担当者は「購入履歴を参照し、『間違い』と確認がとれたら返金手続きが行われるかと思います」と親切な対応でしたが、最後に「……つきましては、その他の決済に関してはどうされますか?」と付け足しました。
新たな問題の出現に、まったく心当たりのないヒルマン氏が担当者から説明を受けながら決済履歴ページを確認すると、数カ月にわたって仮想のFIFA選手パックを購入し続けた履歴がずらりと並び、総額は4500ドル(約54万6000円)に及んでいたとのこと。金額が大きいため、これらの決済が補填されるかどうかは、後日連絡されることになりましたが、1週間後にMicrosoftから届いたメールは「未成年のアカウントで決済されていたが、ペアレンタルコントロール機能をオンにしていなかったことから、クレジットカードの所有者は決済の支払責任があり、返金は認められない」という内容でした。
By Phalinn Ooi
もともとヒルマン氏は60ドル(約7200円)の「ゲームソフト」を息子に買い与えるため、クレジットカードをアカウントに登録していましたが、ゲーム内で100ドルもするアイテムを購入できる仕組みになっているとは知らなかったとのこと。AppleのApp Storeでは決済時にパスワードが要求されますが、Xboxのゲーム内購入は未成年のアカウントであってもパスワードの入力は不要で、その都度クレジットカードのセキュリティコードを入力する項目も設けられていないとのことです。これらの説明をしても、Microsoftの決定は覆らず、ヒルマン氏は4500ドルを全額支払っています。約54万6000円(4500ドル)の支出は多くの家庭では生活が成り立たなくなるレベルの大金ですが、幸い、ヒルマン氏の家庭ではしっかり節約して先立ついくつかのぜいたくを諦めるだけで済んだそうです。
ヒルマン氏の息子はゲーム内購入が「現実のお金」で決済されることをうまく理解できておらず、クリックすると選手データが手に入るため何度も決済してしまったと弁明。今回の罰として息子はXbox 360と貯金を没収され、約束していた卓球台の購入は延期になったとのこと。しかしヒルマン氏はMicrosoftの決済システムに疑問を感じており、「同じ状況に陥った経験を持つ人は何千人もいるだろう」と予想しています。
By EA SPORTS FIFA
世界銀行で働くヒルマン氏は、何千ドルものゲーム内購入が簡単に決済できてしまう理由として、「Microsoftは損得の割合を計算しており、顧客の決済ミスを防ぐよりも、クレームに対処する人材を雇用する方が有益だと考えてるのでしょう。Microsoftの決定は利潤最大化ベースであり、最低限の法的要件しか制定されていません」と話しています。ヒルマン氏は自ら行動する時間がとれないものの、もしMicrosoftに補償を求める集団訴訟が起これば、快く参加するつもりとのことです。
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