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Twitterの「@japan」を持つ人物の意外過ぎる目的とは?


希少価値の高いTwitterアカウントを持つユーザーがハッカーに攻撃されたことが報じられていますが、スペイン・マラガのカフェで靴磨き屋を営む50歳のハビエル・カスターノさんは、Twitterで「@canada」「@Rome」「@MADRID」「@NY」といった非常に希少価値の高いアカウントを所持していたことがあり、現在も「@japan」のTwitterアカウントを所持しています。カスターノさんがアカウントを入手した経緯や、「その目的とは一体何なのか?」ということがThe Washington Postとのインタビューで明らかになっています。

Meet the Spanish shoeshine guy who secretly guards Twitter’s greatest real estate - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/news/the-intersect/wp/2015/02/19/meet-the-spanish-shoeshine-guy-who-secretly-guards-twitters-greatest-real-estate/

多数の希少Twitterアカウントを持つハビエル・カスターノさんは、以前はグラフィックデザイナー兼芸術家として活躍していましたが、2012年のスペイン経済危機で職を失い、靴磨き屋に転職したとのこと。


カスターノさんは、Facebookが一般公開を行った2006年9月26日の数日後に自身のFacebookアカウントを開設するなど、インターネット上の先見の明に長けていたといえます。2007年3月7日にバラク・オバマ大統領がTwitterアカウントを作成した当時、Twitterにはあまりユーザーがいませんでしたが、カスターノさんは追ってすぐにオバマ大統領に関連するTwitterアカウントを「オバマ大統領名義」で作成したとのこと。

この時、カスターノさんはほとんどのスペインの主要都市や海外の国々・都市が、Twitterの専用アカウントを取得していないことに気付きました。いつの日かTwitterが大きく成長した時、「彼らがTwitterで情報を発信する時、これらのハンドル名を必要とするだろう」と確信したカスターノさんは、片っ端から主要な国や都市のTwitterアカウントを作成しました。


Twitterは商標登録名などを除き、最初にアカウントを取得した人に所有権を認めています。そのため、非公式のウェブサイトなどでアカウントが売買されるようになり、人気アカウントは高額で取引されることもあります。2010年にイスラエル政府が「イスラエルさん」のTwitterアカウントである「@Israel」を購入したことも報じられています。

金銭目的にアカウントを先取りする行為は「スクワッティング」「スクワッター」と呼ばれますが、カスターノさんは金銭を目的にしていたわけではなく、「スクワッターに奪われないため」アカウントを確保していたとのこと。カスターノさんは数年にわたって「@riodejaneiro」や「@canada」などのアカウントを政府機関に返還するべく過ごし、2009年には日本・カナダ・イタリアなどの諸外国の大使館と接触に成功しています。残念ながら、Twitterがまだ人気を確立していなかったため、大使館の職員はカスターノさんの話を理解できなかったとのこと。

カスターノさんはその後も手紙による交渉を続け、Twitterを始めた政府機関などを通じて、正しい機関へアカウントの引き渡しを求めました。時には政府関係者を装った販売業者からのオファーもあったそうですが、「私はとても用心深く交渉していました。交渉相手が『適任者』であると確信するまで、パスワードを渡さないようにしていたのです」と話します。苦労が実り、2012年には「@Andalucia」のアカウントをアンダルシア州の政府関係者に、2014年には「@canada」をカナダの外務国際貿易省に引き渡すことに成功しています。

その後も「@malaga」「@MADRID」「@Rome」の引き渡しに成功。また、「@rioguiaoficial」という不完全なアカウント名を使っていたリオデジャネイロ市議会にも「@riodejaneiro」を渡すことができ、現在はリオデジャネイロ公式Twitterとして使われています。なお、「@NY」はハッキングによって奪われてしまったとのこと。

「今日までに『@canada』はカナダが、『@riodejaniero』はブラジルが、『@Rome』はイタリアが所有しています」と満足げに語るカスターノさんですが、「日本だけが残っているのです」と話しました。彼は今もなお、自身のTwitterアカウント(@xabel)から日本政府への呼びかけや、スペインの日本大使館を訪れるなど、靴磨きの傍らでアカウントの返還活動を続けています。「@japan」が無事日本政府の手に渡った時、カスターノさんは長年にわたる活動に終止符を打つことができるそうです。日本の政府関係者が、気が付いてくれるといいのですが……。


・2015年3月19日 20:40 追記
日本政府がカスターノさんからTwitterの「@japan」アカウントを譲り受けたことを、日本政府の公式アカウントが発表しました。

内閣官房副長官を務める世耕弘成氏も、正式にアカウントを取得した旨をツイートしています。

なお、@japanのアカウントは日本政府による運用が始まっており、日本の文化や情勢を世界に伝えるアカウントとしてツイートは全て英語で行われています。ついにカスターノさんは長年にわたる活動に、終止符を打つことができたようです。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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